フローズン さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
癒される良質なギャグ作品
・原作既読、幼少時は姉の所有していたコミックスが愛読書だった
・VHSに録画していたアニメも見ていたがほぼ記憶はなく、最近レンタルDVDで何故か入荷されていたので、視聴開始
・見てみて、記憶にあったのはOP曲だけでした、初見の感覚でサクサク見れていった
・愉快度は相当、キャラデザも可愛い、話もかなり平和。面白かった
・それを言っちゃあお終いだが、90年代前半の子供向けギャグということで、現在とはノリの違いや時代を感じるワードチョイスもあるけど、それでも面白かった
・徹底的に子供向け。原作は小学生女子低学年~高学年向けであると思うが、このアニメは本当の幼児の視聴も視野にあるくらいには低く落とし込まれている
・原作にある、秀ちゃんへの告白回や、美少女コンテスト回は忠実に再現してほしかったのはあるし、マイケルや「?くん」や民子をはじめとする等身ちゃんとしたキャラたちも登場してはほしかった
・初っ端から少し嫌だった部分を挙げると、原作ファンからすると、千歳がウザくなっているのがちょっと残念。
・いや、原作でもウザいんですけどウザさの種類が変わって若干過剰になっているのが気になる。ストーリーを動かすための起爆剤での活躍が多く、原作にあるほどよいウザさとお嬢様と納得できる品のよさのバランスが欠けてしまっている
・でも千歳の声優さん、高田由美氏はめちゃくちゃ上手い。クレヨンしんちゃんのよしなが先生でしか知らなかったが、聞いてて惚れ惚れするようなギャグ演技の素晴らしさがある
・アニメ版千歳を受け入れるのに少し時間がかかったが、その他のメインキャラは文句なしで良かった。わぴこの天真爛漫感、秀ちゃんの優等生感、葵ちゃんのすかした感じ、よくできてて愛おしいし、再現度も高い
・全員が可愛い。小さいころは千歳が好きだったけど、今みるとわぴこに惹かれる。一緒にいるだけで生きる気力が湧きそうな感じ。たまに見せる真面目モードとのギャップもたまらん
・91年~92年の丸一年を通して54話構成ということで、原作話をところどころに挟みつつだがほとんどがアニメオリジナル
・原作ファンが気になる難点はアニオリが多すぎてたまにある原作回が毛色が違く感じてしまう
・丸一年の季節を通して、祝日やプール、クリスマス、バレンタイン等、各季節ネタが現実とリンクしている
・子供向けアニメではよくあるけど、そういうのを改めてじっくり見たせいで懐かしくも斬新な気持ちに
・それにちゃんと季節に合わせて私服が毎回変わるのも凝ってる
原作では校内メインだから私服は珍しいけど、アニメではロケがデフォだから私服が多い
・千歳や百合香は上品そうなやつ、わぴこは元気な感じと、ギャグに走るのではなくて本当に私服で着てそうなリアリティが良かった
・絵コンテ、構図が本当に凝っている、どのカットも面白い
・演出が特殊、SDガンダムみたいな2Dデザイン(今では当たり前のいわゆる「デフォルメ」)と
等身大デザインとの使い分けや場面場面での変化の仕方がかなり面白い
今では当たり前のようにそういうのって切り替わるけど、当時は珍しかったのか、その切り替わりが演出としてギャグの一部に昇華していて凄い(これは見ないと伝わらないかも)
視覚的に飽きさせない工夫がとても多い
・ちなみに、顔に流れるタラーンっていう「汗」の表現をアニメで取り入れたのはこの作品が初らしい
・またポテトチップスを「ポテチ」という略称で広めたのはこの作品とか。
・細かく話数で見ていくと、ロックンロールの回や夏祭りの音頭の回はなぜか少し感動した懐かしさという思い出補正もあるけど、本当に視聴者を幸せな気持ちにさせる制作の工夫が伝わってきた
・テニス回の脚本は、コントっぽくて面白い。数回あるギョピちゃん回もハズレ無し
・36話の泥棒回はホームアローン意識?めちゃめちゃ面白かった、よく動くし構図が面白い
・衝撃的だったのは37話。飛田氏と高田氏の「なごり雪」のデュエットで衝撃を受けたし爆笑してしまった。馬鹿馬鹿しい話なのに情景と声優の上手さも相まってちゃんと切なさもあるし、センスがすげえと感じた。一番好きな話かも。
・アニオリでは強欲な千歳VSわぴこ、秀、葵の対立構造になる回が多いが、これより4人VS都会ノ学園の構図が好き。団結していてほしい
・2本とも面白い回もあるけど全然面白くない回もあるにはあるので平均すると普通になるかも
・特に終盤はちょっとネタ切れも感じてしまった
・この作品に関しては原作厨なので、引っかかるところも多くて、手放しで賞賛できない部分も多かったが、それでも癒される良質なギャグ作品ではあった。