「orange(TVアニメ動画)」

総合得点
67.5
感想・評価
622
棚に入れた
2906
ランキング
2451
★★★★☆ 3.3 (622)
物語
3.2
作画
3.2
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.2

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 1.5 作画 : 2.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

前半は楽しかったけど

【3話まで見て】
{netabare}去年だったかな。
朝の情報番組で実写邦画の紹介をしてた。
”未来の自分から手紙が届いて云々・・・”
「ほー、まぁまぁ面白そうだねぇ」
と思いながらも華麗にスルー。

で、6月末。
新アニメのチェックをしてたら
”orange”
の文字。
「あれ・・・?これって・・・」
で、内容を確認したら
”未来の自分から手紙が届いて云々・・・”
「おぉ、あれかっ!」
そんな切っ掛けで見ている次第。

2話まで見た時点では、
「面白いけど、このまま手紙忠告→回避のパターンが続くとタルいなぁ」
「過去改変モノは、過去を改変することによりその未来も変わってしまう
 ってのがあるから、手紙の忠告に従うとその後の忠告と合致しなくなる
 のが当たり前で、その辺をどう処理してくるのかなぁ」
とか思ってたんだが、3話冒頭で”入部”させることで、手紙の絶対性が
揺らいだことにより、一気に緊張感が出た。
”未来の自分から手紙が届く”って設定自体が荒唐無稽だから、手紙の
忠告に従うと手紙の内容も変わっていく、とかするのかと思ったが、その
絶対性を揺るがすほうにきたか。
ふむふむ。なかなかに楽しい。

過去改変モノに共通することは、主人公が利己的である、ってことである。
そりゃそうだ。
どんなことが原因であれ、自分の気に食わない事があるから、それを過去
に遡ってまで回避してやろうってんだから。
だけど、利己が強いとキャラとしてキッツいから、それを如何にあんまり
感じさせない作りにするか、ってのが作る側の腕の見せどころ。
よくあるのは”大事な人の死を回避したい”。
過去改変は大事な人の為だってことになり、その大事な人への思いは、
改変したい人間が苦難を受けることで、利己から純真へと置き換わる。
本当は、大事な人がいない世界は嫌だ、って利己なんだけどね。
この作品では、優柔不断で引っ込み思案という性格に加えて、CV花澤香菜
とすることで、第一印象としてはかなり中和されていると思う。
で、物語上なんだけど、この辺が巧い引っ掛けになってるのかなぁ、と。
正直、このままだと、本当に只の利己だけなんだよね。高校時代の後悔を
解消したいよー、っていうだけの。
例えばだけど、代打満塁ホームラン。
代打を断ったことを後悔し続けてるから、代打を引き受けて、と。
書く必要がない配球までご丁寧に書いてある。代打を断ったことが後悔なら、
打つ必要までは無いはずなのに。
で、引き受けて、打つわけだが、主人公にとっては良かったね、だ。
だけど、本当なら抑えて優勝していたはずの、打たれた相手ピッチャーの
存在だってあるのだ。打たれてしまったせいで、彼女のその後の人生が大きく
狂ってしまったかもしれない訳で。
そんな他人の人生をも大きく巻き込む過去改変。
各話冒頭や最後で10年後の彼らが出てくる。
主人公は、仲間の一人と結婚し、子供まで授かっている。
十分に幸せだ。
でも、十分に幸せなはずの主人公が、どうしてそこまで過去を変えたいのか。
そこにある真実ってなんなのか。
どんなふうに話をひっくり返してくるのか。
そこに何かが無いと、この物語は苦しいなぁ、とも思う。
期待してます!


ところで。
弁当作ってもらって・・・
わざわざ5時にモーニングコールをお願いして・・・
って状況でも付き合ってることにならんのか?
好きだ嫌いだとか付き合ってるとか確認せなあかんの?
こんな状況でも、他の人から告白されたら受けるもんなの?
おっちゃんは、ジェネレーションギャップに困惑中です。{/netabare}

【最終話まで見て おっさんの戯言】
{netabare}男「好きだよ」
女「私も好きだよ」
男女「でも付き合ってませんが何か」

・・・はぁ?
今の若い子たちにとっての「付き合う」ってなんなの?
何をしたら付き合うなの?突き合うなの?
「付き合って下さい」「はい」って会話が無いと付き合ってることにならない
ものなの?
おっさんの私にはここで躓くわけです。
そんなおっさんの戯言です。


途中までは楽しんでました。
 菜穂は未来を知ってしまったことから、翔を救おうと一人で藻掻き苦しむ。
 しかし、変えられぬ因果により翔は死んでしまう。
 だけど、手紙をくれた10年後の自分が知らなかった真実にたどり着いて・・・
みたいな話なら良いなぁー、とか思ってました。
ところが、話が不穏な進み方をします。

須和「俺にも手紙が来てるんだ」
えーっ・・・
ま、まぁ、結婚してるんだし・・・当事者みたいなもんか。

その他3人「私達にも手紙が来てるんだ」
えーっ!
いやいやいや。ちょっとまて。
どんな気持ちで手紙書いたんだよ。
どういう気持ちで翔が生き残る未来を望むのよ。
お前ら3人にとって、翔の生き死にってそんなに重要な要素か?
須和と菜穂が結婚して子供までいるわけだろ。幸せそうな2人なわけ。
そこに、菜穂と相思相愛だった翔が生き残ってたら話がややこしいことに
なるじゃん。
あれか。
実はそう幸せでもないように見えるのか?
お前らには翔が死んで落ち込んでる菜穂の弱った心に須和が浸け込んだ
ように見えてるのか?
菜穂と須和はギリで許せるんだよ。それでも翔に生きてて欲しいと望む気持ち
を抱いたとしても。
仲良し6人組とはいえ、結果的に部外者じゃん、あんた達。

結果的に翔を救うことに成功します。
「未来から手紙が来てて、それでお前を救えたんだ。
 始業式の日に何があったかも知ってる」
「助けてくれて有難う」
ならねーよっ!
「だったらなんで母さんを助けるように手伝ってくれなかったんだっ!」
ってなりますよ。
束縛する母からの解放。
母子の意思の齟齬の修正。
翔という人間にとって必要なことだったかもしれない。
けど、それは母親が生きててもやれること。
大きな根本として
「母の死」
というのがあるんだから、その回避手段となりえるかもしれないことを
友人が持ってて使ってくれなかったとしたら、キレますよ。普通は。

5人が書いた手紙。
当たり前だが、本当に過去に届くとは思ってない手紙。
これを書く意味。
10年という一昔への区切り。
自殺を防げなかったことへの懺悔。自分への赦し。
結果的に、過去の自分を苦しめることになるという因果。


そんなこと等がモヤモヤと気になり続けたので、後半は面白くなかったです。
作画も後半は完全に息切れしてたしね。
それもこれも、私がおっさんだから気になるんですかね・・・{/netabare}

投稿 : 2016/09/30
閲覧 : 331
サンキュー:

18

orangeのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
orangeのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

かしろんが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ