reath さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
オープニングがすべてを語っている。
KEYアニメオリジナル作品の2作目かな?
前作んおAngel Beats!に比べて、キャラを絞ってあるため、前作に比べてキャラが濃く描かれていて好印象でした。
この作品、後半の展開が視聴者から反感を買っており、低評価につながっているアニメです。
でも、自分はOPですでに大きなテーマを背負った作品であると感づいていたため、後半の展開はむしろ作品テーマに非常にあっていると感じました。
{netabare}
KEYはCLANNADあたりから物語の伏線にSF設定を盛り込んできていて、最近のKEYはどっちかというとSF色が色濃くなっている印象です。
シャーロットも、シャーロット彗星による外来宇宙からの粒子により思春期の少年少女の精神疾患として、超能力を出せる設定になっています。
ちなみに地球には実際様々な素粒子が外来宇宙から降り注いでおり、地球の資源や生命に影響を与えていると言われております。
量子力学の世界では観測者の主観により物質自体が変化したり結果が変わるという常識では考えられない現象が発生したりします。
思春期の男女の感受性が、特殊な粒子の影響でそういった特別な力を発揮できるという設定は、それなりに突飛なものではないかなとも思います。
さて、シャーロットの前半は普通に能力物のアニメとしてみれば平均的に面白い作品だと思います。
問題は後半の展開の仕方です。
個人的には、OPですでに主人公が「例え化け物になろうとも」という伏線が張られているので、12話から13話の流れは全然いいと思います。
そのために、海外マフィアが主人公たち能力者を襲撃したりする事態も十分考えられます。
ただ、海外マフィアの設定が少々無理があって、というのも主人公の本当の能力はずっと隠していて、日本の研究者たちも気づかないくらい慎重にやっているものです。
主人公の能力を知っているのもおそらく一部の幹部のみでしょう。
なのにどうして学園設立前の時点で海外マフィアがその事実を知っているのかという点です。
また、そんなに前の時期に主人公の能力を知っているなら、学園に入学する前にいくらでも主人公を奪う機会はあったはずです。
そういうガードが緩い時期にアプローチを掛けず、主人公がすべてを知った後にアプローチを掛けるという違和感です。
タイムリープを防ぐための口実としての設定でしかなく、この辺が設定がガバガバと言われる部分だと思います。
また、主人公の肩にナイフを突き刺し、崩壊の能力を使わせる場面がありますが、あそこはさすが海外の能力者は容赦ないなという部分が見れてむしろ良かったです。
あのナイフ少女はいわば、スラム系で育った生きるために人を平気で殺せるようなタイプに見えます。彼女が暴走して主人公に崩壊の能力を使わせてしまったのは、マフィアたちにも想定外だったでしょう。
ああいうのは、主犯側と実行側の連携がとれてない典型例だと思います。
その辺が相手の能力を速攻で奪うために容赦のないスラムの少女を傭兵に雇った感が出てて、自分はむしろグッドと感じました。
また13話での、治癒能力確保で、主人公は再びタイムリープが可能になりましたがしなかった理由について。
例えタイムリープができたとしても、100%ハッピーになれるわけじゃありません。誰かを救うことが出来ても、何かを失うかもしれません。
現に、主人公は1度タイムリープして妹は救えましたが、奈緒との絆はもとに戻ってしまいましたし、奈緒の兄も救われていません。
またプゥも命を落としました。
望まない結果なら再びタイムリープをすればいい。そう思い何度も何度もやり直すことになるでしょう。それを繰り返すうちにいつしかゆうの心が擦り減ってしまうかもしれません。
また、今までいろいろな能力者の能力を奪ってきて、脳にも多くの負担がかかっています。その状態でまた一からやり直すのは、正直無謀です。
なので、あそこでタイムリープ能力を復活させなかったことは、正解だと思います。
{/netabare}
シャーロットも駆け足ではありましたが、自分としては主題をうまく抑えて綺麗にまとまったと思います。
1クールしかないうえで壮大な話を描こうとしたのがやはり若干無理があったと思いますが、シャーロットという作品自体には自分はあまり不満点はありませんでした。