ゲリオ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
今期のダークホースな質アニメ
舞台は太平洋戦争以前における日本のスパイ機関ということで、歴史好きに「おっ」と思わせる時代背景を描いた作品である。
第1話観た感じとしては女子向けのオサレアニメかなーという感じだったが少し思ってたのと違った。良い意味で。
1~2話の主人公だった佐久間がD機関の人物と絡んでいくものと思っていたが結局以後は登場しなかった。その後の話も時系列がバラバラ。一つの話が1~2話で完結してしまうオムニバス形式だったのは予想外だった。
さらには殆どの回において、メインキャラクターが主人公となる人物1人だったので公式サイトなどで予習しておかないとキャラが覚えられない側面があった。キャラデザが似てるので声優で覚える必要があったが、男性声優でキャラを判別させるってのも複雑な気分だ。
ところが、そんな感じなのにも関わらず、話数が進むにつれて不思議と本作に結構ハマってしまう自分がいた。
一つ一つの話が地味ながらも深いのである。見終わったあとに余韻が残るというかさ、うまく説明できないんだけどさ。たとえば台詞回しが秀逸だったと思うんだよね。これが原作がラノベと小説の違いかなぁと。
あと冒頭の「世界大戦の火種が燻る~その名もD機関。」ってナレーションは段々くせになる中毒性があった。更にそこから繋がるオープニングのイントロもカッコいい。良質な原作に加え、アニメ制作側の演出面も極めて素晴らしかったと思う。
残念だったのはメインキャラクターとなるD機関メンバー同士が絡むシーンが1話と最終話以外はほぼ皆無だったことか。
イケメン同士の絡みは腐女子の心を鷲掴みにする重要な部分だと思うのだが…。ただ、毎話エンディング後に2人のキャラがオサレな会話するCパートが救済措置だったと言えるか。
アニメ向きではない内容だった気がしないでもないが、本作ならではの雰囲気みたいなものを醸し出せていた質アニメであったというのが総評である。