蒼い✨️ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
作品単体としては良かったものの。
アニメーション制作:A-1 Pictures
2015年9月に公開されたアニメ映画。
監督は長井龍雪。脚本は岡田麿里。
【概要/あらすじ】
子供の頃におしゃべり好きが仇となって、
父親の浮気を無自覚に母親にばらしてしまい、
家庭の崩壊をもたらしてしまった少女・成瀬順。
(厳密に言うと彼女は悪くはないのですが)
その日を境に二度と言葉で人を傷つけることがないように、
順はおしゃべりをすると腹痛で耐え切れなくなる身体になってしまいます。
時は流れて…暗くて目立たない、無口な変わり者な女子高生となっていた順。
ある日、担任の城嶋から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命され、
クラスでミュージカルをすることになります。
同じく委員に任命された、坂上拓実・仁藤菜月・田崎大樹も含めて、
それぞれに過去の後悔がある、この4人を中心にした青春劇。
クラス活動を通じて彼女たちの心が前に進み始めます。
【感想】
・あの花スタッフを強調した広報活動。
・作品を観る前から感動の押し付け。
・乃木坂46とのタイアップ。
泣くことを強要するようなキャッチコピーや、
芸能界の政治事情が煤けて見える売り方は好きではありませんね。
お話も最初の40分までは、面白いとも思えませんでした。
やさぐれ高校球児の田崎とか、青春押し付け担任とか、
なにこれ?って感じで。
登場人物がいがみ合う姿など、いつもと変わらぬ岡田麿里脚本ですね。
順が拓実によって心が開かれて拓実に惹かれていく恋心、
そして、そこから先の顛末の描写はハーレム漫画家には出来ないですね。
中盤以降のシナリオは岡田麿里の本領発揮という感じで、
違うベクトルに向かってる人それぞれの心が、
作品のテーマに沿って成長を遂げ、ラストへ収束されていく流れは流石でした。
素人ミュージカルとはいえ、音楽の使い方も見事で、
あの花と比べると物語の起伏に欠けるもののクオリティが高い作品に思えました。
あのオチの付け方には、いろいろな意見があると思いますが、
世の中には思い通りに行かないことが沢山あるということでリアルといえばリアルでしたね。
さて、この作品に要らないものを正直に言いますね!
乃木坂46とのコラボとあのキンキンとした主題歌は、この作品に貢献してたか?というとかなり疑問。
本編で盛り上がった後のエンドロールで流れる秋元康が作詞した主題歌が空気読めなさ過ぎで余韻が吹っ飛びますねw
あの花ではED曲が作品と一体化して演出効果がありました。小さいようで大きな違いです。
劇中歌を唄った清浦夏実が主題歌も担当すれば良かったのではないでしょうか?
(本編の歌や音楽は4,5相当ですが乃木坂46の歌で点数が相殺されています)
鈴木敏夫プロデューサーが絡んでいる芸能界の政治色まみれのアニメ作品と違って、
この作品のキャスティングには何も問題が無いだけマシなのですが、
アニメ映画に無意味に芸能界の事情を持ち込んで芸能人の宣伝に使って欲しくないと思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。