退会済のユーザー さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
参上!必勝!地・上・最・強!!
ヒーローが組織された職業になると、それはただの『タレント』。そこに「正義」はない。(と思う!)
作画:イイですね。手を抜いてません。
バトル:いやー、動く動く。BGMもいいタイミングで盛り上げて痛快・爽快!
声優:単話だけの方もいらっしいいますが、なんと豪華な声優陣!
バトル好きの若い方々には受けるでしょうね。
{netabare}
就職に失敗したサイタマ。道すがら可愛くない子供を助ける為に怪人を偶然倒したことでヒーローになることを決意。
その日から普通の筋トレを3年続けたら、作品世界中「最強」の男になってしまった。しかし、その代償は自身の頭髪を全部喪失。その強さはギャグに例えるとアラレちゃん並。
「人として何かを失くしてしまった」と自身は語ってますが、むしろ強くなりすぎて「悟った」ように思えます。
ヒーロージャージにブーツとグローブ、マントを翻すもヒョロそうな体格とボンヤりした表情は全然強そうな感じはしないのに、どんな相手も「ワンパンチ」で片づけてしまうサイタマ。
趣味としてヒーロー活動するも知名度が全然ないことを気にし出し、弟子入りしたジェノスに相談すると「ヒーロー協会」なるものが存在することを知る。
HPを調べると世間でいうヒーローとは「ヒーロー協会」が認定した者だけ。趣味やボランティアでヒーローを語る者はただの「変態」ということらしい。
これはイカンということでヒーロー協会の試験をジェノスと共に受け、入ることに。
ヒーロー協会はかなりの人数が居る上にランク制。事例の対応によりA~Cランクに分けられ、厳しい事例はSランクに選ばれ給金もそれに見合って支給されるというもの。
協会に入ってはみたものの中には人気と保身の為に正義のヒーローらしからぬ「クズ」も多く、新人潰しの標的にされるサイタマですが、返り討ちに。他にもヒーローというより見栄と自己顕示をする者ばかり。
一般人が協会に求める暗黙の基準って、
①悪を憎み完膚なきまで叩きのめす。正義執行。
②一般人には無い強さ・能力がなくてはならない。
③見栄え・容姿がカッコよくなければならない。
④口上・セリフはカッコよくなければならない。
⑤一般大衆の生命を守らなければならない。。
⑥一般大衆からの支持・人気がなければならない。
なのかしら?
A級ヒーローのアマイマスクがこだわる絶対的なスタンスってこんな感じなのだろうな。戦っても「絶対敗北してはならない」という信念・・というか脅迫観念に近いものを感じます。
だから決してややこしい事例には首をツッコまないし、発生した被害や失敗は激しく非難するんでしょうね。(理由はわかりませんが。)
サイタマは②・⑤というか②しかないですね。
物語上そうした皮肉をしてるんでしょうが、
結果でしか評価をしようとしない演芸プロダクションみたいなヒーロー協会、見た目と噂で簡単に踊らされる盲目な一般大衆は決して「真実」を見ません。
だから誰もサイタマのショボい容姿に期待しませんし「最強」なんて信じません。それどころか「誤解」を真に受けて蔑視する始末。
S級のバングとジェノスも真実を知っているだけに辛そうですが、あえて声をあげて弁明しません。
二人とも協会のあり方に懐疑的であり風評・評価を全く気にしないサイタマがそんなことを望まないのを知っているから。
最強でありながら、戦いには熱くなれずやや無感情・ささやかな欲しか無く、生活態度も質素なもので若いのに悟りを開いた「仙人」みたいな感じがするサイタマ。
「ヒーローが逃げ出したら誰が戦うんだよ」は軽く言ったつもりでも響きました。{/netabare}
【「ヒーロー」は、なりたくてなるものではなく、結果が「ヒーロー」に仕上がるもの】というのが自論ですが、これも一つの「ヒーロー論」として楽しめました。