RFC さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
残り2話での急ハンドル
原作未読。
一目で女性作家の作品かなと感じました。
【作品概要】
主人公の菜穂は高校生。いつも男女5人でつるんでいますが、
そこに翔が転校してくるところから物語が始まります。
普通の青春ラブコメと違うのは、菜穂のもとに届いた10年後の自分から
届いた手紙。26歳の菜穂はとても後悔していることがあって、
その過去を変えるための手紙だということです。
【作品に対する感想】
★1話視聴後の感想
面白そうな導入だと感じる半面、
最後を想像すると微妙な気持ちになりました。
{netabare}
1話の段階での情報をまとめます。
・16歳の菜穂は転校生の翔を好きになった。
・26歳の菜穂は連れのひとり弘人と結婚し、子供がいる
・26歳の菜穂は翔が死んだ?ことを後悔している
・その過去を変えるために過去の自分に手紙を描いた
過去に失った人を助けたい…その思いはいいと思います。
しかしその両脇の状況が良くありません。
助けたい人はその時好きだった人。
そして今の自分は愛すべき家族がいる。
仮に「独りの菜穂」が「好きな翔」を助けたい、ならいいでしょう。
仮に「家族を持つ菜穂」が「友達の翔」を助けたい、でもいいでしょう。
翔を失わないということは、翔と結ばれる可能性を見出すこと。
すなわち、今愛すべき家族よりも優先順位が高いということになります。
菜穂は一体どういうつもりで弘人と結婚し、子供まで作ったのでしょうか?
一体どういうつもりで過去の自分に手紙を書いたのでしょうか?
{/netabare}
どう転んでも後味の悪い結末しか想像できません。
★全話視聴後
思ったより後味は悪くなくて、ほっとしています。
しかし正直途中まで翔が鬱陶しくてしょうがなかったです。
ただ、最後2話を見て印象が変わりました。
この作品は翔の言動をどう感じるかでバッサリ評価が分かれると思います。
私は翔の言動はああなっても仕方ないと思いました。
ちょっとしたタイミングのずれ、勘違い、コミュ不足。
本当に不幸だったと思います。
1)物語
1話視聴時のどういうつもりで手紙を送ったんだ?
というのはとりあえず解消しました。
決して今を変えようということではなく、パラレルワールドで
翔には助かってくれということなら、まあよしとしましょう。
ただ、どうやって過去に手紙を送ったかの説明はトンデモ過ぎて
唖然としましたが…。物語大幅減点です。
しかし、ラスト2話での翔の心理描写はものすごく同調出来たので、
そこは評価したいと思います。
以下重たい内容なので伏せておきます。
{netabare}
自分のメールで母親を殺したと自責の念に駆られている翔が
あのタイミングで母のあのメールを見たら自殺を考えても仕方ないと思います。
そして自殺を考えるほどになると、あんな感じになります。
ちょっとしたことでも発想がすぐに死に繋がるようになります。
通常思考ではありえないほど簡単に死に繋がります。
そして人の言葉が届かなくなります。
頭では分かってても、心に響かない。
自分すら捨てようとしているのだから、人の言葉なんて届きません。
「どうでもいいか」
翔のこの一言に尽きます。
自分のことで手いっぱいの状態なので、人に気を遣ってられません。
頑張ってる菜穂に翔が冷たかったのは、観ていて辛かったですが、
あの心理状態では仕方なかったと思います。
あの状態の翔を救うには、菜穂がやったように体当たりでぶつかっていくこと。
それしかないと思います。
少なくとも私はそう思います。
そうしてくれた友達に私は今でも感謝しています。
{/netabare}
一度絶望してしまった翔はそう簡単に前を向くことは難しいでしょうし、
最終話のように再び絶望に囚われることも多々あるでしょう。
でも少しずつ自分を好きになっていってくれたらいいなと思います。
2)声優
3)キャラ
諏訪がいい人すぎて惚れますね。
一番報われるべきなのに、貧乏くじに徹したのは凄い覚悟と思います。
ただ、何故そこまで?という疑問は残りました。
他には男子では萩田が、女子では貴子が好印象でした。
私は菜穂は諏訪とくっついた方が良かったように思えます。
お互いを上手く補完してる関係に思えるんですよね。
翔とくっつくと、菜穂は相当苦労すると思います。
まあ、本人たちがいいと思ってるんで、別にいいですけど。
4)作画
わざとそうしてるのかわかりませんが、笑顔の引きつり方が
酷いと思いました。
絵はどうも好きになれませんでした。
5)音楽
OP/ED共に秀逸でしたね。
EDは「泣け」と言わんばかりでちょっとあざとくも感じましたが、
良い歌であることに変わりはないですね。