runa21 さんの感想・評価

2.9
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態：観終わった

物語そのものが「上から目線」

ネタバレ上等な自分なんで、
まだ見ていないアニメのレビューなんて
平気で読んでしまうんですが・・・

ここまで初めの期待値と、
見終わった時の評価が違うアニメも珍しいと思いました。

かなり酷評されているレビューが多かったので、
正直期待せずに見てみました（←多分ここが一番重要）


だが、さっそく2話目が地震のニュースでとび、
10話目がなぜか録画ミス（最後の4分しか取れていなかったｗｗ）

っと言うことで、
完璧には視聴していません。そこは初めに申しあげておきます。

そしておそらくビデオを借りてまで、
欠けている話数を埋めようとは思っていません。

そこまではまったアニメではなかったのですが、
そしてそこまで期待していなかったというのもあるんですが、
皆さんが言うほど悪くはなかったんじゃないかな？
というのが個人的な感想です。
ただ、皆さんが酷評する気持ちも、すごくよくわかります。


{netabare}

わけありな人たちが、世間から逃げるようにバス旅行に参加し、
「ナナキ村」という不思議な村に入り、
それぞれのトラウマと対峙し、乗り越えていき、
最終的には人間的に成長しているという話だと思う。


「トラウマと向き合い、成長する」
というテーマは、きちんと回収できていたし、
そのテーマと対峙するために
「ナナキ村」というスペシャルワールドがあり、
自分のトラウマが視覚的にも襲って来たり、
無理にでも、過去と向き合わなければならない場所で、
テーマを遂行する上では、悪くない設定だとは思った。


ただ、なんというか、中途半端感は否めないと思った。


トラウマと向き合うわけだし、
暗い話になるだろうことは予想できるし、
暗い話は、嫌いではない。
むしろ自分と向き合うような、そんな話は大好物である。

なのに、どうしても好きになれないのは、
終始漂う、不快感のせいかな？


トラウマと向き合ったりする話って、
一回は逃げたり、誰かのせいにしたりするんだけど、
最終的には自分の非を認めたり、
そして成長し、かつての主人公とは違った態度に
他者も見直したりする感じの内容なんですが・・・。

そんな内容なので、
初めは不快感とか、すごくあります。
主人公に対してだったり、周りの環境に対してだったり・・・
でも、次第に主人公応援したくなっちゃって、
最終的には大好きになっちゃってたりするんです。


ただ、残念ながら、この話にはそれがなかった。
良い意味でも悪い意味でも
「お上品」な話だったんです。

それぞれのトラウマは確かにかわいそうだと思うし、同情もする。
それでも、彼ら自身というよりは、
周りの状況が悪いよね？彼らはしょうがないよね？
という感じがどこかして、登場人物たちが「お上品」なのである。

制作者の方たちが、彼ら一人一人の事を
おそらくすごく好きで、
可愛がっているというのはわかるけれども、
見ている人から愛されるキャラクターにするためには、
「お上品」なキャラクターではなく、
どこか人間らしさもなければ、誰にも愛されなくなってしまう。

それゆえに、どのキャラクターも、
あくまでも「キャラクター」であり、
応援したくなってしまうような、自分を映すような
そんな主人公たちではなくなってしまった気がする。


そのせいだと思うのだが・・・

このキャラクター、かわいそうだよね？
こんな現実と向き合わなければならないんだよ？
同情するでしょう？
そして彼らはそれを乗り越えていくんだよ？すごいでしょ？


っと、終始上から目線な感じで
物語が進んでいく感覚なんです。

「あんたたち、こんな物語好きだよね？」

っていうのを与えられた不快感がどうもぬぐえなかった。


テーマは沿っているし、
特殊な村という設定も面白い。
ミステリー要素も入ったりして、そこもいい。

ただ、好きになりきれなかったのは、
物語そのものが「上から目線」な気がしてならなかったからだ。
{/netabare}