要　塞 さんの感想・評価

4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

「死」以外の何かが二人を分かつまで

　結論から言うと、掘り出し物です。
　原作者の他の作品を知っているので、
視聴前からシナリオに不安を抱くことはまったくありませんでした。
　あとはアニメにするにあたっての演出についてですが、
重要シーンでの細かいカット割りや、息をのむ紫陽花の作画など、
エンターテインメント感や文芸感が満載でした。

　物語は、先が読めそうで読めません。
前半はエンタメ感満載であるのに対して、
後半はシリアスで文芸的な展開になってきました。
　強弱と言いますか、緩急といいますか、
前半の超展開に引きづずられつつも、
後半のシリアス展開に、哲学的とも言える、
「おもしろさ」を感じ、ついつい、魅入ってしまいました。

　この作品をただ単に、
ヒロインに癒されたい！
と思って見ると、後悔すると思います。
　ある意味、弱弱しくて、
手放しで愛でることのできないヒロイン。
ハードなシリアス展開。
これまたいろんな意味で、ドロドロした話が苦手な人には、
キツイ作品かもしれません。
　しかし、ギャグやシリアスも含めた総合的な「おもしろさ」、
物語の「深さ」は保証します。
　所々、伏線のようなものもあったので、
必要以上に深読みしながら視聴すると、
それぞれ「思うところ」ができておもしろいかもしれません。

　続き、気になるなあ～。
　原作は、完結しているようなので、気になる方は是非。
　自分は・・・。