キサキ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:今観てる
新たなマクロス
9/26 26話試聴後の追記
ミラージュが…個人的感想はそこにつきますね。歴代これほど不遇なヒロインがいただろうか、、
今回のマクロスΔは序章というイメージです、行方不明のダイダロス1の話や一瞬出てきた愛・おぼえていますか。これらは次の伏線となってるのでは?
内容がFと似ているという点ではとても残念ですが、マクロスの終わりを予感させるとともに、新たなマクロスの描き方、そして展開を見た気がします。
前作のマクロスFがものすごく上手くいって、マクロス=Fといったイメージが非常に定着してるなと色んな投稿を見て感じています。自分は初代マクロスから視聴しており、どれも素晴らしいので甲乙はつけれませんが、このマクロスΔは歴代マクロスに並ぶ名作としてロボットアニメの歴史に名を残すのではないかと思います。
マクロスの三大魅力でレビューをしたいと思いますが
まずFでは歌姫二人でランカは微妙ですが、二人ともシンガーソングライターという立ち位置で、自分が直面してきた現状に対する感情をそのまま歌にして届けるという意味ではアニメとマッチングしてとても成功していました。では今回のユニットwalkureはどうか、walkureの性質上歌う曲は広く大衆に浸透する曲が多く、ジャンルも多彩です。そうなると視聴者側というより、物語の中の人々に対する曲になりがちですが。それでも物語に、その場の雰囲気になるべくマッチする歌詞を作る作曲家、そしてより磨きをかけて感情をのせて歌を歌える歌い手方はとんでもなく素晴らしいです。特に13話は心が震えました。がむしゃらにでも歌手として心を伝える歌を歌うだけが伝える術ではない。Δの魅力はこんな所にもあると思います。
そして人間関係ですが、本当にキャラクターが多い。当初この人数の多さに話が本当に終わるのかとても不安でしたが、テンポが素晴らしい。確かにアニメを観る力を要求されますが、一話のなかに凝縮される巻が多いです。こういうのを嫌う人は多いですが、自分は好きなので良しです。なにより主人公、そしてヒロインの心の動きの要因が少し新しい気がします。自分とは関係のないところの人間関係を見て動きが変わったり。これは今までのマクロスにはちょっとなかったところかなと感じます。
最後にロボですね。作品の特性上zero程ではありませんが、イツワリノウタヒメ、サヨナラノツバサ並に3DCGが動いています。ヌルヌルです。機体のギミックも多く。戦闘も多彩で見飽きません。今回はwalkureが使う自衛用のドローンのような物等、今までにないメカも登場していますが、流石河森監督、それぞれの役割を計算していらっしゃる。曲のテンポにも良く合いますし、素晴らしい完成度です。
ここまで褒めちぎりましたが、やはり欠点が…。今までの一つの世界線で色んな事が起こってきたアニメですが、前作の知識が無いとちょっと分からないかもしれないシーンが多いことですね。河森監督は色んなシーンにヒントを散らばせる方ですが、そこらへんが分からないと魅力が半減するかもしれないと思います。とはいえ、初めてマクロスを見た方は純粋にエンターテイメントとして楽しめます。イツワリノウタヒメ、サヨナラノツバサで目指した音、空気、映像で歌で伝わるエンターテイメントがここにあります。このクオリティ、他のどんなクリエイターにも出せない、追いつけないものがあります。