runa21 さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
人間としての魅力
ついに終わってしまった・・・
何もやる気が起きない・・・
これが・・・殺せんせーロスか・・・(勝手に命名)
暗殺教室とは
ターゲットである担任の先生を暗殺しなければならないという
「これ大丈夫なのか?」
と不安に駆られる作品であった。
実際1期の初めの方は
そこまで魅かれなかったのだけど、
さまざまなタイプのプロの暗殺者たちと出会い、
殺せんせーを暗殺するためには、
今まで生きてきた中で学んだもの
すべてをかけなければならないことに気が付き、
その「すべて」をさらけ出すことで、
クラスのメンバーの弱い所や、意外な強みが判明したりして、
自分の足りないところを補おうと「学びたい」と思うようになり、
落ちこぼれクラスのE組でありながら、
優秀なA組と対等の勝負をしたり、
クラスの絆や、先生との信頼関係を築いていく内容だった。
2期ではどちらかというと、
暗殺教室で手に入れた自分の「強み」を武器に
生徒たちが将来どうなりたいかを考えていく物語だった。
その中で、1期では描かれなかった
「プロ」の先生たちの過去が語られていく。
理事長は悪い奴かと思いきや、
彼なりの信念を持っていて、それを貫き通す人だった。
E組を決して見放しているわけではなかったことは、
彼の「雪村先生が下からこの学校を支えて~」というセリフからもわかる。
殺せんせーとは全くタイプの違う人だけれども、
彼もまた、「プロ」の教師の一人だったことがうかがえた。
そして殺せんせーの過去にも触れられた。
「プロ」の殺し屋であり、優秀な後継者も育てたのに、
その教育を「失敗」してしまった過去。
雪村あぐりと接していくうちに「教育」とは何なのか
気づかせてくれたこと。
そして彼女の最後の言葉からE組の担任になったこと。
完璧に見えるような人たちでも
失敗することはある。
それでも彼らはそれを糧に立ち上がり、
二度と失敗しないように、今度は慎重に事を進める。
その姿は
当初E組になってしまったことで
肩を落としながら、登校していた生徒たちが、
殺せんせーと出会い、さまざまなスキルを身に着けていき、
次第に自分たちの道を決め、
胸を張って卒業式に出席する生徒たちの姿に重なる。
彼らは様々な「プロ」から、さまざまなスキルを学び、
さまざまな生き方を教えてもらい、自分の道を見つけた。
その姿に「大きくなったね~(泣)」
と誰視点!?と突っ込みたくなるような感想を抱いた。
自分の失敗を恥じることなく
生徒たちに伝えた先生たちの覚悟と、教育に対する信念は
かっこいいと思えた。
そしてその姿は、おそらく生徒たちにも伝わったことだろう。
たとえ失敗しても、それが今ある先生を作っているということが、
生徒たちにはわかっているのかもしれない。
E組という落ちこぼれクラスになってしまった彼らには
余計そんな先生たちの姿はまぶしく映ったかもしれない。
この物語の登場人物たちのもっとも魅力的なところは、
こんな人間らしいところかもしれない。
E組の生徒は、落ちこぼれとして評価され、落ち込んでいたし、
優秀なA組の生徒でもE組の生徒に負けて悔しがることもある。
完璧に思えた先生たちもかつては失敗をしている。
失敗することは誰にでもあるけれども、
失敗した後にどんなふうに生きたかが、
とても重要なことだと教えられた。
そしてそんな彼らの生き様が、とてもかっこよく、
魅力的に映ってしまうものだ。
そしてそれこそが、
この物語の最大の魅力かもしれないと思った。