わっと さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.5
キャラ : 4.5
状態:今観てる
エミリアはすばらしいですね
たいていのアニメに関して、主人公がヒロインを助け、それをヒロインが受け入れ、ヒロインが主人公に好意を向ける、それで終わり。そんな中身のない受動的なヒロインばかりな中で、この作品のヒロインは主人公と対等な関係を得ようとする一味違った人だと思った。
冒頭で述べた関係は言ってしまえば「主従関係」のようなものである。自分は相手に尽くすものの、相手から受けるのは好意と少しのエロぐらいなものである。おそらく大多数の視聴者は、相手から受ける好意を目的としているのでこれで満足かもしれない。しかしこんな主従関係が「恋人同士」と呼べるのであろうか?互いに助け合いながら苦楽を共にするのが本当の関係ではないだろうか?
このように言うと、エミリアだってスバルの体を回復してあげたりと助けあげているじゃないかという意見が出そうだが、エミリアとしては当たり前のことをやっているに過ぎないと感じていると思う。例えが非常に悪いが、体の回復は、仕事で出張となったときの運賃を返しているに過ぎない。肝心の給与分に関して返せていないのである。
これをもとに考えると、次のシーンが普通のアニメとは一線を画している。
13話において、エミリアが銀髪ハーフエルフなのを卑下され、それをスバルが止めるシーン。普通のヒロインならうれしさに涙をこぼすシーンであろうが、エミリアはそこまでやわじゃない。むしろ、王城においてぐらいは自分が頑張って、スバルには傷ついてほしくないと考える。そこにスバルの「エミリアの従者になる宣言」である。そんな関係エミリアは欲していない。二人のずれた思いにより、関係が劣悪になっていってしまう。
スバルを助けてやりたいものの享受してくれず不満がたまるエミリア。一方的な助けを是としないエミリアに、理由がわからずに不満を募らせ、いつの間にか「守りたい」という思いが「守ってやった」に変化していくスバル。そして更なる逆境が襲う。このようななかで、いかにスバルがエミリアの気持ちに気付けるか、今後の展開が楽しみである。