ichinana さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
風刺・・・な作品に感じます
原作完結からかなり経ちましたが・・・
とりあえず第1期レビューです。
タイトルにふさわしいイタイ子達が、友達を作るために隣人部なるイタイ部活を作って、もうその時点で友達じゃんという世間の感覚とはかけ離れた友達感覚でイタイ青春を送るお話。
こういった作品が出るたびに、近年のコミュニティの歪さを感じます。
殊に最近はSNSの発達もあって、色々な事象が「言質」として残る現代が恐ろしく思えます。
その真意も伝わらないまま、ネット上に残った言葉が個人のパーソナリティーのすべてと言わんばかりに独り歩きしていきます。本当に恐ろしい限りです。
少々専門的な話になりますが・・・
脳神経学的にはヒトは嫌なことは記憶しにくいはずなのです。気持ちいい(快)、気持ち悪い(不快)は脳の偏桃体~海馬傍回の神経回路で情報が伝達されますが、これは短期記憶です。長期記憶(大脳皮質に記憶)に至るまでには、同一学習の反復が必要になります(試験勉強と一緒です)。しかし、不快と感じるものを反復する人は少ないでしょう。この間に、通常は忘れるのです。
しかし近年のネットの発達により、ヒトは忘れたい過去がいつまでも、下手をしたら永遠に残る状態に陥りました。このストレスたるや想像を絶します。気が付いたときにはその嫌な記憶が長期記憶にinputされてしまいす。
本作の背景には間違いなく上述を含めた現代のネット社会の陰陽があります。私にはタイトルの「僕は友達が少ない」は、「僕(私)は(人が信用できなかったから)友達が少ない(できなかった)」と読み取れます。
これらを踏まえると本作の主人公は間違いなく夜空と星奈です。
二人の境遇は全く異なるにしても、感性は非常によく似ています(カラオケにしろ、好みの男性にしろ)。
よく「自分の性格と真逆の人の方が友達(恋人)として長続きする」などと言いますが、感性は近い方がいいでしょう。現に、夜空は根暗、陰湿(裏表がない)で貧乳、星奈は明るく友好的(裏がある)で巨乳と性格(体形)は正反対です。
本作は二人以外にもアクの強い名脇役が周囲を固めますが、やはり対比となる存在がいない分見劣りします。
・・・主人公は・・・ただのくそヘタレヤンキーもどきプリンです。
原作は色々と迷走したあげくに何とか完結までこぎつけましたが、本作の歪んだテーマを考えると致し方ない気がします。
決して現在の情報化(ユビキタス)社会を否定するつもりはありませんが、「はがない」のような作品を通して、自分も含め他人の気持ち(真意)が汲み取れる人が増えてほしいと感じる今日この頃です。
余談・・・
本作とは全く関係ありませんが・・・
滋賀県近江神宮の近くに「小鳩会」、「小鳩乳幼児」、「小鳩の家」、「小鳩相談室」なる案内板が・・・
ざーさーーーーーーーーーん!!!!!!!!!(←壊れた・・・)