朝霧麻衣 さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
雨の中公園で偶然出会ったのは大人の女性
靴職人を夢見る少年と、雨の日の公園で偶然に出会った大人の女性のお話です。
【あらすじ】
靴職人という、あまり人が選ばないような職業を夢に向かって真っ直ぐ突き進んでいる15歳の少年「タカオ」は、雨の日はいつも公園で一人絵を描いていた。
いつもの場所には大人の女性が座っていた。
【作画】
とにかく背景、人物の描写が驚くほど綺麗な作品でした。雨が降るってこんなに綺麗なものだったのかと思わされました。雨が打ち付け、集まって滴る様子や水面に広がる波紋が美しかったです。BGMをあまり使わず、雨の音だけとか環境音だけのシーンとかが多い印象でした。実写映画を見ているようでした。
それから女の人の一つ一つの仕草がとても丁寧でいちいちドキドキさせられました。
【所感】
自分が外に一人で落ち着ける場所って意外と少ないと思います。そんなところで出会った女性がとんでもなく美人だったら青春真っ盛りな少年はイチコロかと思います。少年が少なくとも憧れを抱いている様子がとても良く伝わってきます。でも女性の方にからかうような様子は無くとても自然でした。年齢的にも社会的にも立場が全然違うふたり、公園で相席する時の距離感もすべてが絶妙でした。この距離間の変化が見どころだったなと思います。それでも一回り年上の女性との恋というとちょっと難しいお話なのかなとは思いましたが、後半の女性に関する描写で大分印象が変わりました。
自分の年齢からすると少年のように憧れというよりは、なにか陰のある方だなという印象でした。何気ない仕草や部屋でのシーンを見るとちょっとつらい。(まだ自分より年上!)それから15歳にしてしっかりと夢を見据えて頑張っている姿を見るととても眩しいなと感じる程には自分も年を重ねてきているんだと実感します。
以下ストーリーに触れる部分については伏せておきます
{netabare} 女性のために靴を作りたいといって採寸するシーンは衝撃でした。とにかく足キレイ( ゚Д゚)でも不思議といやらしい感じはしなくて何か神聖な儀式をしているような印象でした。作品の雰囲気がそうさせているのだと思います。女性にとっての靴は精神的にも必要なものだったんだろうと考えると印象深いシーンでした。(ですがもう一回おみ足は拝ませていただこうかと思っています!) {/netabare}