amnmnt さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
基本シリアス。なかなかに見ごたえのある良作
とりあえず、気楽に眺めて楽しめる類の萌えアニメではないので、そこだけ注意かも。どちらかというと、内容は重いというか暗いというか全然キラキラしてません。構えてないとこっちまで暗い気持ちにさせられてしまうかも。
普段人が無意識に相手を気遣い、言動や行動を〝セーブ〟し調整している、そういう心の箍(たが)。もしそれを取っ払ってしまったらどうなるか? それを作品の中で登場人物が試される感じ。
全体として人の精神的な部分を題材としており、ファンタジックな謎現象を通して、心の傷、人と人との関わり方、接し方、本音と建て前、そういうリアルなものとどう向き合うべきかを考えられる作品です。
その「ファンタジックな謎現象」はどれも王道的なものですが、上手に組み込まれているので「なんだよまたそのネタかよ」などとは感じず、「お、そういう風にくるか」といった感じでとても楽しめます。
ただ良作は良作なのですが、個人的にはちょっと暗すぎる感が否めず。もうちょっと少年少女の目に見えた成長や、より信じ合い強固になっていく仲間の結束などといったものが見たかった。
簡単に言うとですね、なんか最後までこの子達パッとしないんです。
できれば中高生で内向的な性質をもつ子にはこの作品は観ないで欲しいかも。というのも、この作品の子らの「駄目な部分の様子」が「みんなそうなんだ」だとか「そういうもんなのか」だとか、内容がリアリティあるだけにこれが〝スタンダード〟なのだと勘違いさせ、「それでいいんだ」という解釈になりかねない懸念があります。
そういう所のフォローがあまりにも少なく、唯一の救いにして重要人物が学級委員長の藤島さん。要所要所でフォロー役として活躍していましたが、足りない。。。もっと彼女を活用して、いかに君達(メインメンバー)がイカレているのかを追求しておいてくれれば総評はもっと高かったです。