かさい さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
脚本、演出、作画のバランス
が非常に良かった。
トリガーのポテンシャルも改めて伺えたし、演出陣も良い方が揃ってる。
岡田さんの脚本炸裂していてトリガーアニメいいなぁってなった。
キャラの心情を常に意識したアニメだったと思う。
監督:小林寛さん
脚本:岡田麿里さん
音楽:林さん
制作:TRIGGER
【良かった点】
〈作画〉
・芝居
リアルな芝居、アニメ的な芝居。
場面によって使い分けている。
作画レベルも非常に高く、キャラ表現が上手いTRIGGERらしさを感じる。
ギャグっぽいシーンやテンポ付けたいカットには主にアニメ的な芝居を入れて、シリアスでキャラ描写が重要なシーンでは本気の芝居をさせる。
両刀アニメだ。
・線
あえて繋がない、細くて繊細な線。
女性映えする線。近代的。
・影付け
ここぞって時の影付け。カッコいい。
〈キャラデザ〉
・睫毛と口元
口元はクロムクロの石井さんも負けていないが、こちらも絶妙。
なんとも言えない、言葉に出来ない時のキャラの口元にはしびれる。
睫毛は色っぽい。太腿とかも。
〈演出〉
小林監督の絵コンテ参加率は高かったし、全体を通しても小林さんを感じることが出来る。
・キャラの位置・位置関係
特に小林監督コンテ回で意識されていた要素。
どのキャラがどこに居れば自然か。このキャラならどこにいるかなどを非常に考えられた人物配置になっている。
登場キャラが多いアニメだから意識しなければならない点でもあるが、それ以上に、一つの場面に人物配置によって意味を持たせることも出来るんだなとも強く感じる。
・構図の良さ
感情を浮き彫りにする構図や、モノローグなしで心情を描写する構図は多かった。
アップによる密度が高いのは画力が非常に大きく影響していると思うが、セリフの強さもあり、口元を映さないアップや瞳のクローズアップも十分キャラ描写を感じた。
ワンショットもただ被写体一人を映すだけではなく、キャラの心情状況に応じてカメラの位置も意識したりとセリフも演出もキャラに寄り添ったアニメになっていた。
後は単純にオシャレで好き。
・色使い
カッコよさ、ビジュアル的な見栄えのほうが大きい。
濃い赤や青、暗い場面などでは場面の状況に応じた色使いの意識は感じることは出来るが、なにより画面がカッコいい。
暗い場所にワンショットの被写体を映すだけで画面的にイケてるように感じる。
キャラの感情によっても色を加えたり抜いたりしていた印象。
濃い色使いは小倉さん、小林監督な印象。
・瞳の処理
真に迫るような、訴えかけるような瞳。
手描きでは表現できない領域なのか。
・瞳のハイライト
増えたり消えたり。こんな感情表現もありなんだなと。
・光
背景美術も意識していたと思われる光。
暗い場面でも微量の光があり、怪しげな雰囲気などを作り出していたり。
〈脚本〉
・高校生らしさ
ちょっとしたセリフや、キャラ間のやり取りも、そのキャラが持っている個性としての言動になっていてアニメっぽくもあり、リアリティも感じる。
何よりすごく高校生らしい。現役高校生が考えたセリフなんじゃないかと思えるような秀逸なセリフ多数。課金とい現代的なワードなども。
岡田麿里すげぇってなる。
・説得力のあるセリフ
視聴者を説得させるためのセリフではなく、キャラによるキャラのためのセリフ。
そこには、緻密なキャラ設定があり、1話から積み上げてきたキャラ感もあり、そこから自然にキャラの口から出てくるセリフ。
このキャラならこの場面ではそう言うだろうなという説得力。
キャラが生きてた...。
・サブタイトル
岡田さんが考えているのだろうか。
ダイレクトアニメだった。
〈OP&ED〉
・OP 堀内さんディレクター
作画はTRIGGER。気持ちが良いアニメーションの良さが詰まっている。
キャラの個性も出ている。
・ED 渡邉さん
TRIGGERスタッフ曰く、回を重ねるごとに良さが増すらしい。
最初から普通に良いけど、花言葉とかその辺りに意味があるのか。
カット割りや被写体の捉え方が個人的には好きで、髪のエフェクトや子供が跳ねる感じも良さがある。
花上手い。
〈設定〉
・設定はあくまで設定。
ここまでそう割り切れたアニメは少ないと思う。
脚本良かったからなぁ。
【残念な点】
・意図した下手くそな子供の演技
賛否が分かれそうだけどぶっちゃけどうでもいい。