かさい さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
大沼作品ならではの「新しい」が沢山取り入れられていて、画面も映像も非常に見応えがある仕上がりになっている。
【良かった点】
〈新しさ〉
・瞳のハイライト
見たことのないハイライト。アップ時に存在が目立つ。
眼力も凄いがはっきりした「目」という印象が強い。
キャラデザの大島さんのでざいんなのか、大沼さんなのか。
どういった狙いがあるのか。気になる。
・髪、その他のグラデ処理
原画を拝見したが、髪のハイライトは色指定されており、グラデは撮影などで処理されているのか。光の当たり具合や影等によってグラデ度合いも変わってくる。
服やタイツにもしっかりグラデ処理。
〈大沼さんらしい画面作り〉
・パステルカラー
キャラのアップ時に肌の色など関係なく色をパステルにしてしまう。
画面がパッとなる感じ。
・アップの密度
アップはキャラの顎が収まらない密度。
キャラの心情と可愛さがダイレクトに来る構図。
・デフォやアイキャッチなどの遊び
キャラのデフォルメデザインも多彩で豊富。
どれも可愛くコメディ色は強くなる。
画面も楽しくなり可愛いで満たされる。
BGなどの仕込みも細かく遊び心もしっかりあったり。
アイキャッチもデフォルメ。
声優さんのアドリブ感漂う演技も楽しげ。
・撮影
グラデ処理以外にも、光や影の調整、ボケ、ブレ、ハーモニーなど要所要所でしっかり撮影処理を感じた。空気感もいい感じだった。
・OP&ED
OP:曲自体がアップテンポですごく元気が出る。
大沼さんの遊び心満載の画面になっていて仕掛けもやはり細かい。
ベストなカット割りと繋ぎはOPにとってかなり重要な要素なのだなと再確認。
ED:曲もコンテも良い。
響が後ろからグイグイ来るとこ好き。
曲と映像がしっかりマッチしてた。
・全体を通して
コンテとして直接参加した回はシルエットやロングの見せ方だったり、横構図での会話やアップだったり、繋ぎの上手さだったりと他の回とはやはり一味違ったように思える。
それでも中盤大沼成分が薄れてきたとは言え、全体を通して大沼さんらしいアニメに仕上がっていたと思う。
軸となるスタイルやコンセプトは序盤から結構固まっていたようにも思える。
〈その他〉
・水彩チックな美術
柔らかい印象。メインキャラ全体が結構濃いのでBGが柔らかいのは逆にバランス取れている感じ。
光とか黒板とか木の表現とか結構気になる点はいくつか。
・アクション
シルリンらしいCG背動やぐいぐい動くカメラワーク。
12話の作画は動きを重視した作画でらしくない感じが嫌いじゃない。
【残念な点】
・キャラが見えてこない単調なセリフとシナリオ
この作品は脚本次第で評価が変わったと言っても過言ではないと思う。
セリフや展開は単調でキャラがあまり見えてこない。場面描写もぶっ飛びすぎている。
・キャスト
フレッシュすぎた印象。
監督曰く、アドリブ感が重要なんだとか。
元気があってハツラツとした感じは好印象。
・滅茶苦茶な設定、世界観
なんでもアリの定義はなんでもアリだが、さすがにやり過ぎていると思う。
不幸な女の子達が幸福を目指す日常という非常に良い基礎設定はあるのに...。
・世界観
う~ん...。