シャベール大佐 さんの感想・評価

3.5
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態：観終わった

これが笑いもある作風だったなら、このストーリーでも楽しめたかも

サムライ＋蒸気機関車＋ゾンビ、こんな世界観のオリジナル作品。ノイタミナ枠で全12話。
最初の1話を観たときは結構ワクワク感があったのですが、話数が進めば進むほど作品への興味は萎んでいき、最後のほうは惰性というか、まあ途中まで観ちゃったからいちおう最後まで観ておくか・・・といった程度の感覚で眺めていました。
とりあえず、作画はとても良かったです。戦闘シーンの動きや見せ方は迫力がありますし、キャラの顔の色の付け方なども他のアニメ作品とは全然違う質感のようなものがありました。固い装甲に覆われた蒸気機関車や、レールが張り巡らされた城塞都市の様子なども、ロマンが感じられて魅力的でした。ただときどき、その軌道があまりにも急カーブだったり、分岐点の描き方がおかしかったりして、どう見てもこんなところ列車は走れないだろ、みたいに気になった部分はありました。
一方で、肝心なストーリーのほうは、正直お粗末といった感想。どこかで観たことがあるような展開が多く、おそらく作品の見せ場として作られたであろう終盤のいくつかのシーンなども、作り手側がこういう場面を描きたくて、それを適当に繋いでストーリーを組み立てたのかな、などと冷めた気持ちで眺めてしまいました。また、ラスボスの敵キャラも薄いというか陳腐というか、なかなかあれで盛り上がるのは難しかったです。これがもし笑える部分もあるような作風ならば、全然許せるというか楽しめたと思うのですが、それもなしでは厳しかったです。
総じてこの作品は、外見的な部分に比べて内容的な部分が圧倒的に負けていたように思います。いっそストーリーなど作らず、画集やPVなどで世界観や映像だけを見せてくれたほうが、想像力を掻き立てられて楽しめたかもしれません。