岬ヶ丘 さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
このアニメ自体がトラウマでナナキになるかも?
私は普段はあまり批判的な感想は書かないのですが、作品全体を通した感想は、
「このアニメ自体がトラウマでナナキになってしまうかも?」
オリジナルストーリーということで、視聴者の誰にも先が分からない展開。早々に序盤から内容に着いていけず、視聴継続するか悩みましたが、終盤に期待していました。しかし、蓋を開けてみれば残念な形になりました。
第一にいくら何でも人数が多すぎました。30人の半分程度でも話はまわせたはず。むしろ人数が多すぎて誰が誰だが分からず、各個人の事情が希薄化してしまったと思います。同じ監督作品のSHIROBAKOなどと違って各キャラの役職や立場・人柄が把握できず、キャラに感情移入がしにくかったです。その一方でメインキャラクターの過去についてはかなり重く、ナナキの描写もかなり人を選ぶ演出でした。キャラの言動とトラウマとのバランスが調整されていれば、共感できたキャラも増えた気もがします。
第二に物語全体の展開に関して。前半は何が終始パニックといった雰囲気にもかかわらず、展開が遅くテンポが悪い。そして誰が何をしているのか描写がわかりにくい。終盤にようやく話が進み始めるといきなり研究者(伏線もあったが)や消えたはずのよっつんが出てきて、全体的に詰込みすぎの印象。最終的に村を出る人間、出ない人間に関してもイマイチ納得できない。
作品のテーマとしては「過去のトラウマと向き合うこと」が強調されていたように思います。扱う題材自体は素晴らしかったが、本作の場合そこに至るアプローチがうまくかみ合わなかったのかな、と感じました。
ちなみにキャラクターの中で一番に共感できたのが、運転手の子供とのエピソードでした。この話があったのが唯一の希望だったかな。脚本の岡田さんは同クールで「キズナイーバー」も担当されていましたが、あちらが個人的に好みだったぶん、もったいなかったなという印象です。