takekaiju さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
演出の良さが際立つ、けど……
今季一番の意欲作。
ストーリーは割と平凡だったけれど、何より演出の良さが際立っていた。
噛まれると発症する不死の怪物カバネによって覆われた世界が舞台。ゾンビだったり、人知を超えた怪物が支配する物語は数あれど和風の世界観を持った作品は少なく、その点がまず印象的だった。
着物を着ていたり刀や長銃で武装していたり一見して戦国、江戸時代をモチーフにしているのかと思いきや、現代でもなかなか見かけない厳つい武装列車が登場するなど和洋折衷な世界観の造り込みが上手いと思う。
戦闘シーンもキャラクターはぬらぬら動くし、多方面から立体的に見せる構図の取り方は観ていてはらはらドキドキするし迫力あるものに仕上がっていた。いい感じに戦闘が盛り上がってくると挿入されるBGMのタイミングなどもいい仕事をしていて、とにかく視聴者の気持ちを盛り上げるのが上手い。
ただ、残念というか肝心のストーリーには肩すかしを食らった感が否めない。故郷の駅をカバネに追われ、金剛郭というこの世界の中心地を目指すというのが物語の大まかな流れではあったが、本当に金剛郭に到達しただけで物語が終わってしまった。
{netabare}
安息の地を目指して金剛郭にやってきた一行は、脅される形で城内にカバネを引き入れてしまう。遅れてやってきた生駒によって首謀者である美馬は倒され無名も救出され、そのまま金剛郭を脱出。万事丸く収まったと思った瞬間に物語は幕を閉じてしまう。
{/netabare}
いろいろなフラグ立てまくってこれで終わりって、ひょっとして二期あるの!?と疑いたくなるような終わり方。一応ラスボスは倒しているし、ヒロインは救出しているし終わってもいい流れで唐突すぎる結末に悶々としてしまう。