ねむ さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
テーマが面白いだけに期待しすぎてしまった
それぞれ何かしらの事情を持っていそうな30人の訳あり男女が、人生をやり直すために幻の村を目指す所からストーリーは始まる。
第一話はほぼ自己紹介で終わってしまうほど登場人物が多いです。
不気味なわらべ歌、個性的で問題を起こしそうな登場人物達、この中の誰が生き残るのか、ここからどんな怖い事が起こるのか……と今後のミステリーな話を想像してワクワクしました。
が、少々期待をしすぎたようで
途中からまさかのB級パニックホラー展開に。
30人を超える登場人物に対して全12話という事から察するべきだったのですが
トラウマや過去が語られるのも数人だけで、最後までどういう人間なのかわからないまま終わったキャラも非常に多いです。
見せ場であるはずのナナキに追いかけられる恐怖シーンも、でっかい頭や物体が"ぬー…"っとすべるように森の中を付いてくるのでなんともシュール。
「なんかこういうホラーのフリーゲームあったよなぁ…」
とか思いながら見てしまいました。
感情移入できるキャラクターがいなかったのでぼーっと見ていたら、驚くような展開や仕掛けもなくあっという間に終わってしまった、という印象です。
ただこの手のストーリーでは珍しく全員生還のうえ、日常に戻る組・村に残る組に別れるって終わり方は面白かったです。
あの短い期間で全員を「もう一度元の生活に戻ってがんばってみよう!」なんて前向きにさせる事は当然できないだろうから、トラウマと共にでも村に残ると言い出す人々がいるのは自然でよかったと思いました。
あと運転手さんとナナキとのやり取りはほろっとします、数少ない感動シーンかと。
手放しでほめる事はできませんが決して最初から最後までつまらなかった訳ではありませんでした。
とりあえず興味をもたれた方は1話バス内での「ヒポポタマス」合唱シーンだけでも見てみてはいかがでしょう(個人的に名シーン)