Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
仙台の人は石投げませんから…^^;
この作品の原作は未読です。作品のタイトルとジャケットから熊と巫女が登場する物語だとは思っていましたが、お互いに関連性が見出せず視聴するまで正直個人的評価はあまり高くありませんでした。
今期のダークホース的な存在…と言える作品だったと思います。
物語の舞台は、東北地方の山奥にある熊出村…この村の山の上に熊出神社という熊を祀った神社があり、その神社に仕える巫女がこの作品の主人公…中学3年生の雨宿マチです。
ここまでは極ノーマルな設定なのですが、この作品がぶっ飛んでいるのはここからです。
まず、熊出神社で祀られている熊ですが…生きてます。そして喋ります。そして何より世の中の情報に詳しく、電化製品も難なく使いこなしてしまう強者なんです。
そんな熊のナツは、小さいころから巫女のマチとずっと一緒に暮らしてきました。
何をするのもいつも一緒…
とっても仲睦まじいマチとナツは、お互いそのまま成長してきました。
もともと性格的に引っ込み思案なマチにとって唯一心を開けるナツは、かけがえのない存在としてマチの中に君臨していたのです。
でもある時少女は気付きます…
ナツと一緒にいるのはお互い空気みたいな存在だし、自分では触れない電化製品が触れるナツが居なきゃ、きっとこの先生きていけない…
でもこのままじゃずっと山奥に引きこもりっ放しになっちゃう…
こうしてマチは都会の高校に行くことを決意し…物語が動いていきます。
そして物語の回を重ねるごとに…マチの萌えに磨きがかかっていくように思えました。
知らないことは決して悪い事ではありません。
正しい知識を得て正しく行使すれば良いのですから…
でも「知る」きっかけって、大概必要に迫られて覚える場合が多いと思うのですが、山奥で仙人みたいな生活を続ける上において、都会の情報の必要性を迫られること自体がこれまで無かったのでしょう…
マチは山奥での生活と学校で習う事以外を全く知らないという、今時珍しい生粋の純粋培養で育った女の子だったんです。
都会に憧れるけれど…都会の事は何一つ知らないし、何より行くのが怖い…
でも自分を変えるために勇気を出して一歩踏み出したその範囲があまりにもいじらしくて可愛いんです。
そんな可愛らしさ全開のマチの魅力が思い切り堪能できる…
そんなマチの可愛らしさは日常でも発揮されますが、その本領が発揮されるのは、巫女として神事を行っているとき…中でも神楽を舞うマチは絶賛に値すると思います。
作品の中ではアイヌとの関係も示唆されている関係もあるのでしょう…
マチの巫女装束はオリエンタルな雰囲気を醸し出していてとっても似合ってるんです。
きっとマチの巫女装束を纏ったフィギュアが発売されると勝手に思っているのですが、出来が良かったら思わず購入ボタンをポチってしまいそうです(//∇//)
でもこの作品のベースは日常系です・・・マチの魅力を堪能するのも設定的には限界があるのですが、そこで登場するのがマチの従兄であるヨシオが「村興し」と題して、様々な事をマチに要求するんです。
ヨシオの村興しへの純粋な気持ちは理解できなくはありません。
でも時にマチに対して行き過ぎな言動があった事も否めません。
ヨシオ君・・・なぜもっとマチの身になって物事を考えられないんだろう・・・と何度思った事か
結果的に過度な要求を受け入れて頑張るマチは立派だったと思いますが、中には不憫な内容があったのも事実ですし、マチの引っ込み思案に拍車がかかったのもヨシオが一端を担っています。
だから終盤の展開がネットを賑わせたんだと思います。
個人的には頑張った後のご褒美が、ありふれた日常であっても全然問題無いと思います。
極度の緊張の後に人が欲求する安楽の時間・・・良いんじゃないでしょうか。
一番はマチがどう思うか・・・この点が大切なんだと思います。
それにこれで全てが終わる訳じゃありません。
今回の結果を受け入れる事で、また新たなる道が開けるかもしれませんし・・・
一連の騒動が、今後のマチの勇気の足しになってくれれば幸いです。
オープニングテーマは、花谷麻妃さんの「だって、ギュってして。」
エンディングテーマは、マチ&ナツ feat.熊出村のみなさんの「KUMAMIKO DANCING」
可愛らしさが詰まったオープニングも良かったですが、個人的にはエンディングがツボに入りました^^
エンディイングを聞いた瞬間「これだっ!」って思えましたもん^^;
1クール全12話の作品でした。
村興しの難しさや都会への憧れ・・・色々ありましたが、何だかんだ言って最後までやり通したマチは偉かったと思います。
まだ原作は連載中の様なので、頑張った後の休息から目覚めたら、次こそ起死回生の逆転ホームランをかっ飛ばしてくれるのを期待しています。
仙台の人は決して石投げませんから・・・^^;