Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「第一回人生やり直しツアー」の先で待ち構えているのは…
この作品はオリジナル作品だったようですね。この作品の事は視聴するまでほとんど知りませんでしたが、水島努監督作品…という事で視聴を決めた作品です。
水島努監督といえば、「ガールズ&パンツァー」が頭に浮かびますがレビューを書くためにwikiをチラ見した際、監督以外にもすごいスタッフでメンバーが構成されていたことを知りました。
監督:水島努「ガールズ&パンツァー」
シリーズ構成:岡田麿里「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」
キャラデザ:井出直美「艦隊これくしょん -艦これ-」
音楽:横山克「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」
私は制作スタッフには疎いのですが、少なくても上で挙げたのは感動させて貰った作品ばかりです。
視聴する前に知っていたら作品に対する感想が変わる…事はありませんね。やっぱり^^;
この物語に登場するのは、「第一回人生やり直しツアー」に参加した男女30名。
この作品が1クール12話である事は視聴前に知っていたので、まず登場人物の多さにびっくりしちゃいました。
1クールじゃ絶対覚えられない自信がありましたが、完走して振り返ってみると…残念ながらやはりその通りで、主要な人しかキャラも名前も憶えられませんでした。
制作サイドも30人もの登場人物を覚えられる視聴者がどの程度いるのか、きっと分かっているのだと思います。
分かった上で、これ程の人数を設定したのだと思います。
それでは、なぜこんなにも大勢のキャラが投入されたのでしょうか…
あくまで個人的見解ですが、「偶然を必然に変えるため」に必要な人数だったのではと思っています。
物語は単純明快…「第一回人生やり直しツアー」に参加したメンバーは、自分の人生をやり直すため存在自体が都市伝説化している「納鳴村(ななきむら)」を選択し、その村での出来事を綴っています。
まず都市伝説化されている場所に行き人生をやり直す…いわば世捨て人になるという事ですが、それを選択するくらい、今の生活に疲れ嫌気がさしている人ってどのくらいいるのでしょう…
生活していく…或いは社会に出て働く上で、人とのしがらみは当然生まれてきます。
中には好まないしがらみがあるかもしれません…
でも、すべてのしがらみがそうなの?…と問うと答えに躊躇してしまいます。
だって中には大切な繋がりも存在するから…
だから「世を捨てる」って言うほど簡単な事では無いと思います。
自分が居なくなる事で、少なくても親兄弟は悲しむでしょう…
失踪したら世間を騒がせる事になるでしょう…
でも、そういう人が存在するとして、そんな人が一人や二人…或いは少人数しか居なかったら、社会の逆風を恨み傷を舐め合う事はできても、何かを行う原動力にはならないと思います。
だから、世を捨てるには自分と同じ境遇の生贄が必要で、数的要素が罪悪感、不安感や孤独感を拭い去り、結果的にその行動の原動力になるのだと思います。
それが「第一回人生やり直しツアー」そのものなのですが、「納鳴村」での顛末が気になる方は、是非本編でご確認願います。
「人生はやり直せる」という事を何度も聞いた事があります。
何かに失敗した時、人は次に同じ失敗を繰り返さないよう考えて行動するから、やり直しが成立するのだと思います。
そして、このやり直しは過去の自分をひっくるめた全部でやり直す事であって、ゲームの様にボタン一つでこれまでがリセットされる事は決して無いということ…
だからどんなに世間の荒波が厳しくても、時には抗わなきゃいけない…
どんなに辛くても孤独でも、時には立ち向かわなきゃいけない…
そして一番の敵は自分自身の弱さ…
だからトラウマを克服するなんて簡単に言えない…
でも、一人じゃなかったら…若しくは誰かに支えて貰えたら…
事の顛末…物事の結論は決して一つではないのだと思います。
オープニングテーマは、和島あみさんの「幻想ドライブ」
エンディングテーマは、片平里菜さんの「結露」
個人的にはオープニングの方が好みだったように思います。
1クール12話の作品でした。正直登場人物の多さや物語の展開から、賛否の別れそうな作品ですが、現代の若者に対する強烈なメッセージを含んだ作品として見ると、内容に一貫性が感じられる作品だと思います。
皆さんのレビューを拝見するのが楽しみです。