北山アキ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
設定過剰な感じ
物語展開
結局一番のドMだったノリちゃん率いるドM教団が
崩壊前の最後のあがきで信者数を盛り返そうと無茶したけれど、
異端思想過ぎて誰もついていけなかった。
それどころか被験者間の逆方向への言語化を強化してしまい
教義の崩壊を加速してしまった、というお話。
設定
痛みも気持ちも物理現象と捉えることができて、
その意味で共有もすることができるとは思う。
共感は他人の脳内の物理現象を類推することで追体験するみたいなもので、
気持ちの物理的共有と本質的に違わない気がする。
(痛覚への刺激共有なんて欲望は、動物的に瑕疵と思うので論外。)
気持ちの物理的共有というテーマに莫大な研究費を掛ける意義は否定しない。
しかし、個人としては、類推で済むことに金を掛けるなんてムダ金と思う。
まして、痛みの共有や共感が幸福の条件だと言いだされたら単なるカルト。
科学ではなく、気持ちの悪い危険思想だから、
信者がどんどん離脱しているという状況設定自体は無理がない。
(テクノロジーと不快な思想が結びつくことはよくあることだし)
物語構造の問題点
ノリちゃん側に説得力無さ過ぎて、被験者側と全くディベートが成立しない。
だから、ノリちゃんに対して全く共感が生まれない。
また、大人側が被害者カードを乱発してノリちゃんの心情を疎外するから、
ノリちゃん自身としての信念や執着がよく伝わってこない。
ここらへんは構造上の欠陥のように思う。
カッチョンの「恋愛感情は行為の善悪を超越する」理論は万能ではなく、
そのために群像劇風にしてるんだろうけど、結局一致団結しちゃうところが
逆にもやもやしてしまった。
まとまった風に見えるけど、けんか別れしたほうが逆にすっきりすることもあると思う。
(同じマリーでも、迷い家はそっちだった。全体としては迷い家よりこっちのが面白いけど)