朝霧麻衣 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人が失ったものと向き合うこと、それはとてもつらいこと。
新海監督の新作が今年8月に公開されるということで、今まで視聴していなかった本作品を視聴しました。
【あらすじ】※あらすじが長くなるため伏字以降はウィキペディアより
幼い頃に父を亡くし、母親と二人で暮らしている「明日菜」は家を空けがちな母親の代わりに家事をこなし、近くの山に作った秘密基地で時折遊んで日々を過ごしていた。ある日、秘密基地へ向かう途中、見たこともない怪獣に襲われたところを「アガルタ」から来たという少年の「シュン」に助けられる。続きは伏せておきます。{netabare}翌日、秘密基地で再会し仲良くなった二人はまた会う約束をするが、後日シュンが遺体で発見される。シュンの死に実感が湧かない明日菜は、新任教師の森崎の授業で聞いた「死後の世界」に強い興味を抱く。世界各地には地下世界の伝承が残り、シュンが故郷であると語ったアガルタもその一つで、そこには莫大な富や死者の復活すら可能にする技術があるという。
その日の帰り道、明日菜は秘密基地でシュンに瓜二つの少年・シンと出会う。彼は兄が持ち出したアガルタへの道の鍵となる石「クラヴィス(clavis)」を回収しに来ていた。するとそこに武装した兵隊と森崎が現れる。森崎はアガルタの秘密を狙う組織「アルカンジェリ」の一員だった。しかし、アガルタへの入り口を見つけた森崎は組織を裏切る。彼の目的はアガルタで亡妻・リサを蘇らせることであった。シュンが遺したクラヴィスを回収したシンはアガルタへと去り、残された明日菜も森崎についていくことを決め、ミミを加えた二人と一匹は、広大な地下世界を旅することとなる。{/netabare}
【所感】
まずこの作品について、ジブリ作品のファンでもある新海監督がリスペクトして製作を行い、ジブリ作品に関するオマージュが随所に見られる作品となっています。特にもののけ姫やラピュタあたりでしょうかね。背景、人物描写や仕草まで様々な部分にジブリ作品にあるような特徴が色濃く出ておりました。
ただこの作品、ジブリとは少し違った監督の主張が感じられました。上手く言えないのですが、人は簡単には失ったものを割り切ることは出来ないということでしょうか?もののけ姫に関するオマージュが多いことからそのような感じ方をしました。
亡くした妻の蘇生法を追い求める男、衰退していく地下世界でただ諦観している老人、ココとは違う別世界に言ってみたかったと話す主人公の少女( {netabare} 自分の寂しさから逃避していることにすら気付けていない {/netabare})
登場する主要人物たちが何かしら抱えている喪失感、これらから立ち直るためには長い時間がかかるのだと思います。人間は弱い生き物ですから。ましてや子供にいたっては、その現実を理解することすら難しいといったことが表現されていたと思います。
{netabare} 主人公の少女が地下世界の果てまで辿り着いてようやく自分の悲しさに気付くシーンが印象的でした。 {/netabare}
【まとめ】
新海監督が描くファンタジックな作品も良かったと思います。ただ個人的には恋愛がらみのストーリーの方が好きかなと感じました。