明日は明日の風 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
望んでもいない運命に翻弄され受け入れる覚悟
最近、爽やかな作品を多く見ていた反動でしょうか、どろどろしたものを見ようかと物色。この作品が目に留まりました。アダルトゲームは興味なかったのですが、当時、かなり話題になっていたので、予備知識はありました。
いい感じでどろどろです。レビューでは昼ドラという意見多いですが、バブル前後はゴールデンタイム、10時台のドラマにもどろどろたくさんあって、たくさん見たので免疫はありました。特にTBSが多かったですね。「金妻」「男女七人」「ずっと君が好きだった」「高校教師」「思い出にかわるまで」…どろどろです。
よく出来たシナリオだと思いました。最初の伏線の張り方が上手です。{netabare}孝之と水月と遥の出会いから事故までの流れ。孝之と水月が意識してる感じを出しつつ、遥の告白を受け入れるが、遥はずっと(しかも3年も)孝之が好きで、孝之もちゃんと遥に向き合い、愛していく。で、最悪の事故シーン…{/netabare}この前段階があるからこそ、この後のどろどろがキツく感じるわけです。
孝之がへなちょこなのは認めます。言うと言っておきながらズルズルしてしまったのがどろどろ深まる原因なわけですし。が、そう考えるにはあまりにも気の毒過ぎる流れです。{netabare}自らを犠牲にしてまで自分を救ってくれた水月、3年前のまま自分を愛してくれている遥。今と過去、今は深い苦しみを産み、でも過去は現在進行になってしまった。どう選択してもどちらかが悲しい思いをする。あとはそれぞれの選択です。{/netabare}自分ならと考えたら…孝之状態になるだろうな…。
最後の選択はいかにもな終わりかたでした。青春ものはこれでいいのでしょう。でも…遥に肩入れしてしまった自分はつらい終わりでした。一途で儚い子に弱いです…ビジュアル的にもストライク。この後に遥ルートのDVDも一緒に借りて見たのでほっとしましたが。三角関係ものに入れ込むと、どうしてもどちらかに肩入れしてしまいます。なので、終わり方が肩入れした方が幸せにならないと不満に感じます。だからこそ、面白いのかもしれません。
あゆ&まゆの存在はよかったと思います。スカイテンプル…スカイラ○クのぱくりかと思ったら、ちゃんと設定あったのね。空、寺…そりゃあゆが何しようが首にならないわけだ。
個人的には面白かったです。どろどろの作品見たい方はぜひどうぞですが、遥ルートも一緒に借りておくといいかもしれません。