田中タイキック さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
いいんだよ 考えなくて いいんだよ
2016年4月~ AT-X・TOKYO MX他にて放送
全12話 原作未読
東北地方の山奥にある熊出村。その村では古くから熊を山神の使いとして信仰する風習があった。
熊出村に生息する熊は人語を解して喋ることができ、熊出神社の仕来りにより村民を襲わない契約がされている。
そんな村に住む熊出神社の巫女・雨宿 まち(あまやどり まち)とヒグマのクマ井 ナツとの日々を描く
シュールでシニカルで可愛らしいモフモフカントリーライフストーリー。
ケニア先住民のマサイ族だってPC・スマホを使うのが当たり前になった現代。
そりゃあ先進国の熊ならタブレットでアプリ、通販サイト、スカイプを使いこなし
目元エステやブルーライトカット眼鏡使うくらい現代病への意識も高くなります。
そんな世俗にまみれすぎたナツと超がつくほど世間知らずなまちとのズレた会話劇。
まちの都会への憧れからくるわりと直球な田舎ディス。
この手のアニメらしからぬ妙に艶かしくフェッチぃ描写の数々。
まちちゃんを最大限愛でるアニメであることは間違いないんだけど
付随するストーリーは緩さもあり、奇妙なシュールさもあり、強烈なギャグもありで
一見、作風に統一性がなくズレた感覚が逆に良い味わいになってて面白かったです。
EDも好きでした。映像もかわいいしIKUZOを髣髴とさせる訛りラップパートとか良いよね。
{netabare}
でも、ぜーーーーんぶ終盤で台無しだったけどな!!
10話でアイドル路線大失敗しておいていきなりロコドルコンテストやらせようってのが全然わからないとかさ
きりたんぽちゃんとなまはげちゃんとの仲良しフラグ総スルーとかさ
自発的に行動してコンテスト入賞という成果まであげたのに無かったことにするような展開とかさ
全てが些末な問題に感じるほど納得のいかない描写があって
「私やっぱり都会の高校行くのやめる」
ってなんなん?12話サブタイトルの「決断」ってそういうことなん?
テーマを根本的に捻じ曲げちゃってる気がするんですけど…
こんな世界が閉じ込んでいくような展開にしなくていいじゃん。
結果として閉じてしまったならまだ良いんだけど、
ぱっと見みんな笑っててハッピーみたいな空気なのに観てる方はネガティブな感情が優先してしまうっていう
後味めちゃくちゃ悪いし…ジャパニーズホラーじゃねえんだぞ!?
はっきり言ってまちって病気じゃん。統合失調症とか強迫性障害を疑われるレベルの重症じゃん。
じゃあ周りの大人達が何とかしてあげようっていう極普通の親心は無いのかってこと以前に
最後の描写を見るかぎり根本的な問題に気付いてすらいないっていう感じだった。
ナツは子離れできない親的なポジションだったのに、ただまちと一緒に居たいだけの子供だったし
良夫は言わずもがな。何を言ってるか全く分からないし
ヤンキーの響ちゃんは良夫の訳分からん熱意に感化されちゃうし
結局、まちのことを想って、寄り添って、考えてる奴って作中に1人もいないじゃん。
って感じちゃったんですよね。何たる無情。
でも何となく諸行無常。
思い返せば田村のおばあちゃんの発言しかり、ホラー的伏線はちゃんと貼ってあったのかもしれない。
そういうものだと思って見返せばきっと面白い。絶対。確実に。多分。おそらく。
まぁ見返さないけど。{/netabare}