「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~(TVアニメ動画)」

総合得点
60.6
感想・評価
272
棚に入れた
1392
ランキング
5818
★★★★☆ 3.4 (272)
物語
3.3
作画
3.5
声優
3.4
音楽
3.4
キャラ
3.4

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ネタバレ

ハヤブサ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

〜LAST SONG〜と以下同文

後になって、もう一度じっくり観たい気持ちがわいてきたため、評価修正しました。

かの虚渕玄さんが脚本をみて、その出来に驚愕したといわれる作品です。
ストーリー
私欲を肥やすため、超人を利用する輩、超人を排除を主とする軍隊、組織の中で葛藤しながらも任務を遂行しようとする超人保護課‥そんな複雑な人間社会が交錯する中、自分の信じた正義と意志を貫くため、組織を抜けて、探偵事務所をかまえたジロー‥仲間は淘汰されていき、やがてジロー自身も「正義ってヤツは一つじゃない。白い正義もあれば、灰色の正義もある‥」と悩みながらも、その淘汰するもの達と闘う道を歩む。
作風が、古きと新しきが絡み合っている感じです。作中でも、淘汰された古きおもいの結末をつづるエピソードも盛り込まれてきます。自分の信じた正義や意志がぼやけて貫きづらい複雑な社会の中で、淘汰されていくものを守ってあがいたりしながら奮闘するジローと、その周りのキャラが2期に入っても変わらずカッコいいです。
そして、ジローのごとく、製作陣の方々の頑固なこだわりを感じます。
更に、少しさびしげなレトロ風音楽が流れて、止まらない時代の流れにやるせない世界観が包み込みます。
悪だと指差され、信じた意志が貫きづらくて、古きが淘汰されて、‥そんな中で歩み続けるジロー‥と輝子達の今後に目が離せません。あと、「メテオテール」で、へんしーんする魔女っこ輝子のキャラが可愛くてグッドです。
加えて、玉置さんのEDがこだわりあってとてもカッコいいです。

作品の魅力について‥
‥私はもともと「正義の味方」って響きが好きではありません。殴っておいて、ぶっ飛ばされると「いてぇーよー」ってわめく痛みを知らない中身チルドレン、「正義」を振りかざして敵を好き放題殺す、又は中傷するくせに、いざ自分や仲間がやられると「よくもー」みたいなモラトリアム的な正義騙りが1番気持ち悪くて嫌いです。他作品でもそういうモラトリアム的キャラ観たりすると、視聴意欲をなくします‥それこそ「失う覚悟ないなら、始めから撃つなよ」って気持ちになります。
‥長くなりましたが、この作品はそういった「正義」に対しても、慎重に丁寧に取り組んでいます。決して正義は一つではない‥ジローは悩みながら、時に非難されながら、自分が何ができて何をすべきか‥「正義」と誠実に向き合いながら闘っている姿が好印象的でした。「正義なんて一つではない」とか「時代が変われば正義も変わる」とか「時代が流れれば古きは淘汰されていく」など‥それを噛みしめながらも「それでも探し続けたい」と足掻きながら、進んでいくジローや輝子達の誠実な姿がこの作品の大きな魅力に感じてました。

最終話‥多くの超人達が、この世界に居場所を見失い、ジロー達超人と、かつて仲間だった超人保護課含めた人類との戦争は止められなくなってしまいました。‥輝子が、人々の願いを力に変えて、「メテオテール」全開です。
‥自ら巨大な悪の象徴となり、超人達を結集させ、倒される‥最悪の怪獣を倒した正義の魔女として、輝子達やその他の超人達は人々の信頼を取り戻し、この世界でやっていけるようになる‥それが行き場を失い、「正義のヒーロー」になれなかったジローが最後に思いついた正義だった‥
里見「自己犠牲ショーは終わりだ。さぁ〜化物はこの世界からいなくなれ!超人達もこの世界から消していく」
ジロー「笑うな!たった一つの正しい事を求めても‥自分の心すらままならない‥それでも探し続ける事に意味がある」
「‥たかが歌‥たかが映画‥たかが超人‥か‥あんたの様なヤツに会うのはこれが初めてじゃない‥多分最後でもない‥」
(ジローは里見の様に「笑うもの」は絶えることがない事、そして、正義には色んな色があることをもう理解していました。それでも闘い続ける事に意味があるのだと答えを見出すのです)
「正義や夢や現実を笑うヤツと闘う」
「超人には必ず対になる悪がいる‥俺はあんたという悪を倒す!」
ジローがずっとブレてばかりだった「正義」が最後の最後でよみがえりました。そして、かつての超人保護課が再び、手を取り合います。‥あぁ‥ジローが答えを見つけ、かつての仲間だった輝子達と一緒になる。コンレポ観てきてホントによかったと思えました。ジローが消える前、いつぞやの会話の様に、ジローが「キッコー」と叫んで、輝子が「呼び捨て?」と瞳をウルウルさせながら、笑顔で返すシーン‥2人の変わらぬ絆、輝子の優しさがにじみ出ていました。‥輝子よくがんばりました‥
輝子って最後までブレがなく、とても魅力的な魔女っ娘でした。
お別れのシーン‥まさかの相川七瀬さんの「いい日‥旅立ち」‥最後までレトロなこだわり‥とってもよかったと思います。。

風郎太「信じてるんだね‥人間達が、超人や怪獣のの事を思い出して‥もう一度会いたいと願えば‥」
輝子「もう一度姿を取り戻す」「だってあの人は‥そうして産まれたんだもの‥」

ジローは人々の「超人や正義への想い」が具現化したエネルギー源だったんですよね。だから某アニメのキャラデザだったのかな‥そして、人々が願えば‥「鼻で笑うもの」と闘うために、いつでもそこに在る‥

想いが産んだジロー(エネルギー)が、現代で淘汰されながら悩みながら、進む道を探し続ける‥個人的に好みの作品でした。
‥時代が流れて廃れても、人々の心から消えないものはそこに在る‥あの虚渕玄さんが驚愕しただけあって、熱意溢れる素晴らしい作品でした。

投稿 : 2016/07/28
閲覧 : 389
サンキュー:

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