めいろ* さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
あした来る日。
知っている人は知っているし、知らない人は知らない。
なんとも当たり前な表現ですが、しかしそういう認知の仕方がこの作品にはマッチングしているのかなあと。
作品の評価は人それぞれで、本作品がどんな評価を受けているか僕は全く認識していないのですが、なんとなく、賛否両論のある作品だったのではないかなあ・・・という憶測はさておき。
こばと。一見なんとも明るく愉快な進行を見せるかの如く、OPもキャッチーで素晴らしく作品に沿った作りだったと思います。
そんな作風が、何かを境に一変して、シリアス調へと推移していきます。
この際、これは推移でもなんでもなく、完全な変化と言えるのかもしれません。
何を言っているのか分からない方もいるとは思いますが、この急転に視聴者側がなかなか追いつけず、結局最後まで回収しきれないという事でこの作品を”よく分からない作品”と位置付けている方が多いのではないかという見解で、冒頭の憶測を述べました。
正直、僕も完全な理解をしたわけでなく、その上でレビューを書いていることを多少申し訳なく思いつつ、しかしながら本作品に対する評価がそこではないというのが僕の見解です。
本作品を視聴してから現在まででもう6年は経ったと思いますが、既にこばと以外のキャラクターがどんな声で、どんな人間で、どんな事をしていたのかそれはもうほとんど覚えていないくらいです。これは僕の記憶力の問題でもあります。
しかし、こばとがどんな子だったか、どんな想いで、その時どんな事をしていたのかは、未だ鮮明に覚えている次第です。
つまるところ、本作品のタイトルを思い出してください。
「こばと。」です。
本作品に関して、兎にも角にも”こばと”のお話だったんです。
それはこばとがどんな設定で、どんな経緯でどうなったかと言うのは少なくとも重要ではありますが、要点はそこじゃないと感じています。
彼女が本作品の中で、どんな子だったか。
いつも明るく元気な彼女は、いつも何を考えて、何を想っていたの?
そこに結論が必要でしょうか。
僕達はそんなこばとの心情を汲み取って、各々がそれぞれの憶測や推察を生み出して、そうやって各々のこばとを形成していく。
少なくとも、本作品を評価する点がいくつもある中で、僕が見出したのはこばとという一人の女の子の存在そのものです。
そんな女の子の事を感じながら本作の視聴を進めていければ、
きっと綺麗に輝く金平糖が見えるはずだと、僕は思います。