めいろ* さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
何かを犠牲にして手に入れたものは、結局何かが欠けている。
ギャルゲーが大好きな主人公、桂馬がリアルで女の子を攻略していくと言う、その当時の波に完全に乗ったというか、まさに時代の波という的を得た作品です。
リアルなんて、クソゲーだ。という言葉も果たして本作品がルーツなんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
さて、本作品がどういう作品なのかと言うと、恐らく、多分ですが、恋愛系の作品に属するのかなあと思います。
更には、続々と女の子達を攻略していくわけなので、様々な子が桂馬を好きになりますが、全くハーレム化はしません。
と言うのも本作品、攻略した時点でその桂馬と女の子が関わってきた女の子側の記憶が全て抹消されます。
女の子は何も変わらず、しかし桂馬側にはずっと記憶が残っているという事で、なんともメリットの無い彼です。
そんなことにメリットが無い、いわば無意味な事だと理解していながらも、彼は女の子の攻略をし続けています。そこには彼なりの想いがあるでしょう。
では、題名に回帰します。
「何かを犠牲にして手に入れたものは、結局何かが欠けている。」
現実を犠牲にして、ゲーム内の女の子を攻略していた彼は、リアルなんてクソゲーだと言いながらも、どこかでそんな自分に劣等感を抱いています。
現実の人間と触れて、初めて人間味を帯びた彼にとって、これらの活動に無意味なんて無いのです。
本質的には、そんな人間としての関係を描いた人間観の作品なんだと思います。
相手が何を想ってるのかとか、
どんなことに苦しんで、
何に悩んでいて、
それをどうすれば解決できるのか、
僕には何ができるのか、
僕が、何かできるのか。
人を思いやって、それに付随する行動に無意味な事なんてありません。
これは、現実に触れて成長していく、彼の物語でもあるのではないでしょうか。