keylove さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
これで泣くってどんなだろう?→どのシーンで泣いたか覚えてないほど泣けました笑
あにこれにおいても、世間的においても評価が高いこの作品。
そして泣ける、感動するという声が高い作品。
ずっと興味はあったんだけど、そんなに泣ける要素がどこにあるんだろう?
百人一首のスポコンに自分が馴染めるだろうか?
なんてずっと思っててスルーしてたものです。
大間違いでしたね。
いたるシーンで泣きました。
だから、なにがどう感動的なんだってのは確定できません。
小学生のある日、主人公でありヒロインである千早は一人の少年と運命的な出会いを果たします。
それまでクラスでもぜんぜん気にもならなかった男の子。
暗くて貧乏で誰とも馴染まないその男の子と出会ったことが、この千早の人生のすべてを変えてしまうんですね。
こういう出だしってもちろんいくらでもあるんだけど、この時に出会った
綿谷 新のかっこいいこと!
ぜんぜん冴えなくて暗くて一人ぼっちの男の子がこれほどまでに圧倒的にかっこよく描かれるなんて思わなくて、びっくりしました。
そのかっこよさを演出してるのはもちろんかるた。
僕が生まれ育った環境の中では百人一首の勝負という世界がなかったので、こういう競技かるたがどういうものなのかまったく知りませんでした。
なのでこの作品に出てくる素人たち同様に、本当にかるたの迫力で圧倒されてしまったんですよね。
ということで、一話見たらとまらなくなる、パターンにはまりました。
この作品が絶妙なのは、競技かるたの迫力と恋愛感情や友情をきれいに丁寧に描いているところです。
{netabare}
最初はかるたなんか、ただの遊び程度にしか考えてなかった太一と、一瞬でかるたの魅力に引き込まれて、以来それしか頭になく恋愛のことにまったく疎い千早、そして遠くに越してしまった新。
その三人の関係はかるたを通してだけど、やっぱり男女の気持ちにもなっていくわけで、この展開も気になってしまうのがこの作品の良いところ。
この一期では恋の行方もかるたの行方もわからないんだけど、それでも存分にその要素を見せてくれたあたりが素晴らしいとしか言いようがないです。
太一も新も、どちらも魅力的なので、どちらと結ばれても千早は幸せなんじゃあないかな?
ちなみに奏ちゃんはふつうに机くんと結ばれていいと思います。
{/netabare}
こんな感じ。
一期では高校一年生の時期が描かれていますが、その時期だからこそ抱いてしまう気持ちや感情の起伏、葛藤や挫折があって
天才と凡才との境界線ってどこなのか?
なんてことも考えさせられて、まるでアニメの世界に入ってしまっているような感覚になっていました。
みんなもなにかしらに打ち込んだ経験があったり、どうしても追いつけない才能を持った人間を見たことがあると思います。
その時の圧倒的な差と絶望感、でもやっぱりあきらめられない気持ちなど、青春時代でしか味わえない気持ちがたくさん詰まっています。
もちろん、そういうのって大人になってもありますけどね。
そして、子供の頃を共に過ごした友達と離れ離れになって、長い時を経て再び出会った時にどうなっているのか。
これもドラマとしては定番だけど、やっぱり気になってしまう大きな要素ですよね。
これもやはり王道的に描かれていました。
ストーリーや演出もさることながら、作画や声優さんや音楽も素晴らしい作品でしたね。
キャラデザ的には少女漫画が原作ということで、好き嫌いがあるかと思われます。
僕も少女漫画のあの独特の描写は好きではないので、この作品においても少し抵抗がありましたが、すべてのキャラでそうでないのが良かったというか、このアニメの良い点だと思います。
少女漫画に出てくるようなキャラはそれなりのあだ名がついてたり。
でも背景や風景はきれいでした。
さすがに昔の人が読んだ詩を題材にしているだけあって、季節感なんかの情緒をきれいに丁寧に描いていました。
そりゃそうですよね。
和歌って、気持ちを風景や季節の色合いに被せて歌ったもので、ある意味では芸術なんですよね。
それを丁寧に描けてないのなら、この作品がここまで評価されるわけがないんですよね。
ということで作画は素晴らしいです。
あと、EDテーマはちはやの役の瀬戸麻沙美さんが歌ってますが、これが美しいです。
一期も二期もOPは現代調の音楽で、この作品の楽しくて明るい部分や現代的な部分を表現していて、EDに関しては一期も二期も心の情緒や感動を表現している気がします。
そして瀬戸麻沙美さん、めちゃ上手いです。
声優さんも素晴らしいですが、それは紹介しておきます。
{netabare}
綾瀬 千早(あやせ ちはや)-瀬戸麻沙美さん
本作の主人公でありメインヒロインの高校一年生。
小学生の時に新の圧倒的なかるたに出会い、それ以来はかるたのことで頭がいっぱいで、競技かるたのクイーンになることを夢見る天然でおバカで単細胞なところのある無駄美人。
かるた部創立メンバーでキャプテン。
cvの瀬戸麻沙美さんは、ストライク・ザ・ブラッドselector infected WIXOSS、ハイキュー!!、などで活躍されています。
真島 太一(ましま たいち)-宮野真守さん(幼少期は高垣彩陽さん)
本作の主人公の一人で高校一年生。
千早とは幼馴染の仲で、成績優秀、スポーツ万能という非の打ち所のない完璧な少年から高校生。
ゆえに負けず嫌いで、一途で不器用なところがある。
かるた部創立メンバーで部長。
cvの宮野真守さんは、イケメン声優で有名ですね。あ、関係ないですか。
DEATH NOTE、デュラララ!!、東京喰種トーキョーグール、など多数で大活躍されています。
綿谷 新(わたや あらた)-細谷佳正さん(幼少期は寺崎裕香さん)
本作の主人公にあたる人物の一人で高校一年生。
ちはやの人生を変えたと言って間違いない人物で、やはりかるたの道を歩む一人。
かるたの才能としては別格のものを持つ。
cvの細谷佳正さんは、刀語、進撃の巨人、心が叫びたがってるんだ。など多数で大活躍されています。
大江 奏(おおえ かなで)-茅野愛衣さん
千早たちが作ったかるた部の創立メンバーで高校一年生。
童顔で巨乳というずるいぐらいの女の子でありながらも、千早よりは普通だと描かれています。
僕にとっては一番可愛い女の子ですけど。
いやおいといて、部の中で一番和歌を愛する真面目で几帳面で礼儀正しい女の子。
cvの茅野愛衣さんは、この奏ちゃんのような役が一番しっくりきます。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。さくら荘のペットな彼女、氷菓、など多数で大活躍されています。
西田 優征(にしだ ゆうせい)-奈良徹さん
かるた部の創立メンバーで高校一年生。
千早や太一とは小学生の時にかるたの大会で勝負したことがあり、また新にいたってはもっと深い勝負をしたことがあるつわもの。
いつも肉まんを食べてた印象から、千早たちから肉まん君と呼ばれている。
cvの奈良徹さんは、ポケットモンスター ダイヤモンド&パール、イナズマイレブン、屍姫、などで活躍されています。
駒野 勉(こまの つとむ)-代永翼さん
かるた部の創立メンバーで一年生。
成績は常に二位で、人とのコミュニケーションはなく、いつも机にだけ向かっているところから机君というあだ名がついたほどに一人ぼっちだった男子生徒。
それを千早が無理やりかるた部に入部させようとするところから始まって、いなくてはならない存在になる。
cvの代永翼さんは、黄昏乙女×アムネジア、弱虫ペダル、Free!、などで活躍されています。
{/netabare}
このほかにもたくさんの素敵なキャラが登場します。
エンディングテーマ「そしていま」
作詞・作曲・編曲 - 新屋豊 / 歌 - 瀬戸麻沙美
は特に素晴らしいと思いました。
競技かるたってあまりメジャーなものじゃないけど、これを見たらその魅力があまるほどに伝わると思います。
笑ったり、悲しんだり、悩んだり、考えたり、泣いたりっていう素直な感情を感じたい人にはおすすめします。