ヤマザキ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
「青春」を描くにはちょうどいいさじ加減
P.A.WORKSのアニメは「SHIROBAKO」「ANGEL BEATS!」と観てきて、今のところハズレがありません。そこで今回、この「TARI TARI」をチョイスしてみました。「ANGEL BEATS!」のところでも書きましたが、学園もの、群像劇、そして音楽劇と、私の好きな要素をかなり満たしております。今回の「TARI TARI」、期待たっぷりに視聴を開始しましたが、さすがP.A.WORKS、期待を外すことはありませんでした。見事なまでな、そして、紛う方なき、模範的良作です。
音楽劇、というところから考えると、「けいおん!」ほどぬるくなく、「響け!ユーフォニアム」ほどエグく理不尽ではありません。「青春」を描くにはちょうどいいさじ加減。悪役ばかりではなく、そして善人ばかりでもない。笑いあり涙あり、努力あり友情あり・・・。あ、恋愛要素は{netabare}「田中→紗和」だけなので、{/netabare}ちょっと薄いか?例えば、「けいおん!」みたいにグダグダだと、大学時代のもっと楽しい思い出に簡単に上書きされそうだし、「響け!ユーフォニアム」みたいにドロドロだと、下手をすると「思い出したくもない過去」になりそうな気がします。「TARI TARI」の主要登場人物たちは、この白浜坂高校で過ごした日々を、大学時代の楽しい思い出に上書きされることもなく、そして、「思い出したくもない過去」にもならないで、きっとその卒業後も気持ちよく思い出せるでしょうね。
キャラデザだけはちょっとだけ苦言を呈しておきましょう。紗和と和奏のデザインが似通っているんですよね。個人的には人の顔と名前を覚えるのが異常に苦手なので、だからなのかもしれませんが、最初のうちは二人の区別をつけるのが大変でした。正直、制服のネクタイで区別していたくらいだし(^^;;。あと、田中とウィーンも、紗和と和奏ほどじゃありませんが、ちょっと似ている。唯一、来夏だけはしっかり区別できました・・・、って当たり前なんですが、その来夏のデザインがP.A.WORKSの関口可奈味さんにしては珍しくツボから外れました・・・。これがこのアニメ、唯一の不満点。
まあそんな点には簡単に目をつぶれます。いずれにしてもこの「TARI TARI」は万人にオススメできる作品です。現役の中高生にも観て欲しいし、また、私たちオジサン・オバサン世代も観て爽やかな気持ちになれること請け合いです。未視聴の方は是非!