「血界戦線(TVアニメ動画)」

総合得点
75.4
感想・評価
1205
棚に入れた
7019
ランキング
813
★★★★☆ 3.8 (1205)
物語
3.5
作画
3.9
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
3.7

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この街ゆえに

 原作は未読。
 洒落っけがある、粋なアクションもので、過去作品だと「ルパン三世」、「カウボーイ
ビバップ」、ちょっと毛色が違うが「TRIGUN」なんかに通じるものを感じてしまった。

 まずは惹かれたのが「ヘルサレムズ・ロット」という街の雰囲気。ニューヨークが異界と融合
してできたそうだが、ニューヨークの雑多な感じが更にカオス化したような描写が魅力的。
 のっけから建物が壊され、住民が殺されるような描写で幕を開ける。住民の反応を見るからに
こういったことが頻繁に起きているみたいだが、ここで暮らす者達はそれでも明るい印象。
 もはやこれが日常と言うことで恐怖が麻痺しているのか、あるいはいつでも死と隣り合わせと
いうことで「生きている間は楽しくやろうぜ」という感じなのかも。
 基本的にはライブラを始めとする個性的なキャラを描く展開だが、この魅力的なキャラの
存在は「ヘルサレムズ・ロット」という土台の上に成り立っているような印象。
 主役はレオナルド・ウォッチだが、彼の行動によりストーリーが動くような展開ではなく、
レオナルドの見た「ヘルサレムズ・ロット」、及びその住人達といった作りで、役割としては
ストーリーテラーといった印象が強い。そういう意味では本当の主役は街、及び街に住まう者
全体なのかもしれない。

 キャラは非常に魅力的だったが、そんな彼らの日々を追った単話主体で、全体を貫くような
流れがなかったため、いささか単調なきらいもあった。
 あと冒頭に記述した作品群は粋でありながら、男臭かったり、泥臭かったりする、一種の
タフさを感じさせる要素もあったが、本作はそういった部分が弱く、まあ小綺麗な印象が強い。

 先に流れがないと書いたが、逆に展開に流れを感じさせるのはホワイトとブラックを巡る
部分。ただ、この辺だけはカラーが違う印象があり、調べてみるとアニメオリジナルとのこと。
ある意味納得。
 二人とも謎多き存在で、特にレオナルドとホワイトの他愛ないやり取りから所々、意味深な
ものを感じさせるなどのミステリー的演出はなかなかいい感じ。
 話が進むにつれて、このホワイトとブラックの要素の比重が高くなり、終盤はほぼこの問題に
費やされる。
 最後はほろ苦いビターエンドだが、危機回避はなされるが、キーとなるキャラはいなくなると
いう展開は定番の一つで、まあ悪くない。最近だと「神撃のバハムート GENESIS」なんかも
そんな感じだったか。
 ただ、この部分はやはりレオナルド、ホワイト、ブラックの三人の物語と言った方がいい
ような内容で、結果としては本流である「ライブラを始めとする個性的な面々」といった部分が
薄くなってしまった感が強い。
 ホワイト、ブラック関連に関しては釘宮 理恵氏のホワイト、ブラックとそれぞれの幼年
時代、更に絶望王も含めた演技が素晴らしい。11話などは一人芝居のような印象。

 作品の雰囲気を盛り上げるBGMが素晴らしく、特に歌モノが印象的。歌モノは下手すると
挿入歌のようになってしまうきらいがあるが、歌モノでありながらあくまでインストのような
BGMとして機能していたのが見事。
 あとOPとEDも素晴らしく、特にEDの画面と音楽のシンクロ率、更に中身の雰囲気との
合致性が凄く良かった。

投稿 : 2016/06/19
閲覧 : 240
サンキュー:

5

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