退会済のユーザー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
鳴り渡る、人肌のジャズサウンド
ジャズを取り入れた、昭和的青春を描いたもの。
自分の知らない世界を持っている人と関わる事で広がる知見と経験。
自分とは縁がないと思っていた人との距離が縮まり、親しくなっていく過程の、なんともいえない刺激。
そのような、自分の世界が広がっていき、高まる心と、強まる好奇心の表現が実に見事。
そして、大人なようで、やはり子供らしい、背伸びをした振る舞いは、この作品独特の卓越した表現だったと思います。
また、遠回りで実直な人間模様が新鮮で、初々しい。
青春時代の甘美な輝きと苦悩が封じ込められているかのよう。
こんな魅力的な描写に、更なる味わいとグルーヴを与える、ジャズサウンド。
音楽が主役級といって過言ではないくらいの存在感がありました。
心の抑揚、時代背景、無言の言葉、ありとあらゆる要素に見事にマッチングしていて、ひときわエモーショナルな輝きを放っています。
ジャズこそが、この作品のグリコ。
この作品にしかない、特別を多く備えた、素晴らしい作品です。