めいろ* さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
おっさんに泣かされる覚悟があるか。
12年前、ブラストフォールと呼ばれる災害が起きた。
当時俺は警察官で、病気で妻を失い、娘と2人で暮らしていた。
妻は、病院のベッドでこう言い残した。
娘を頼むと。
だが俺は、その約束を守れなかった。
娘はブラストフォールに巻き込まれ、行方不明となった。
それでも、俺は信じている。
娘は、生きていると。
彼女との約束を守るために。
なんていうと、勘違いしがちなのですが、退廃的で殺伐とした中で起こる抗争を嗚呼無情と切り捨てるおじさんのお話ではありません。
いえ、そういうお話でもあるのかもしれません。
息が詰まるような背景の中で、全てがモノトーンに見える世界で、彼は生き続けています。
これは、つまり客観視というもので、外部から内部を覗くと情景がおおよその情報源として取り込まれる為に、こういう言い方もなんですが、無機質な感想と言うのが浮かんでくるわけです。
本質は、どうでしょうか。
これはもっと、根は純粋で温かい、複雑な”愛”のお話です。
それはきっとカラフルなんかじゃなくて、コンクリートの地面に色取り取りの花を散らしていくような。
彼の心境を、感じることが出来るでしょうか。
計り知れない想いを、受け取ることが出来るでしょうか。
もう、尋常じゃないほどの涙が溢れてしまった本作品、名作です。