「僕だけがいない街(TVアニメ動画)」

総合得点
91.6
感想・評価
3378
棚に入れた
15597
ランキング
28
★★★★☆ 4.0 (3378)
物語
4.2
作画
4.0
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

前向きなメッセージが自然に伝わってくる良作

世界観:8
ストーリー:9
リアリティ:7
キャラクター:8
情感:7
合計:39

藤沼悟。29歳。
彼は自身が引き起こす特殊な現象「リバイバル」の結果、交通事故に遭ってしまう。
幸い軽傷で済んだものの、心配して来た母親の佐知子と同居することに。
二人で行ったスーパーの帰り道、リバイバルが再び悟に訪れる。
今度は何事もなく、無事帰宅する悟だったが、ふいに佐知子から「スーパー前で誘拐事件が未遂に終わった」という不穏な言葉を耳にする。
そしてバイト先から帰ってきた彼は、信じられない光景を目にするのだった。
(公式サイトより)

ワンパンマンに続き、最近のシーズン(2016年冬)トップ作品を視聴しました。

「リバイバル」という、時間遡行の能力(発動のタイミングや期間は本人の意思があまり介在しない)を有する主人公の悟が、{netabare}母の死{/netabare}をきっかけに小学生にまで戻ってしまう。そして、関連性があると考えた、小学生当時に発生した小学生誘拐殺害事件を解決しようとするのが序盤~中盤までのストーリー。

{netabare}細かい点を言えば、主人公が何故逃げたのか等よくわからない部分もありましたが、{/netabare}29歳の大人が記憶を保持したまま小学生にまで戻るという設定や、前半は犯人の見当が全くつかないミステリーは面白い。主人公の素人っぽい喋り方がこの作品には合っていて、クラスメートを救うために行動していく姿にも共感できます。それを見守る親、教師、友人の視点も含んだ形で描写されています。{netabare}児童虐待という{/netabare}重いテーマも描かれており、深い台詞も多い。例えば、{netabare}

「『言葉』ってさ、口に出して言ってるうちに、本当になる気がする。」
「『信じたい』は自分の為だよ。誰かに『信じて欲しい』の裏返しなんだよ。」
「君が信じてくれたから、俺はまだ頑張れる。ありがとう愛梨。君を信じてよかった。」
「信じるっていうのは信じたいっていう希望の言葉なんだってこと」
「後から自分のせいなんて思うのは思い上がりってもんだべ。一人ひとりの人間にできることなんて限られてるっしょ。」
「正義の味方って結果が出たからなれるってものじゃないよ。お前はもうなってる。」
といったように。
{/netabare}
こういった世界観、雰囲気で物語が進むので、3話で既に4.5点、8話で4.6点の高評価となりました。

評価が難しくなるのは{netabare}9話~10話。9話目で犯人がわかりました。ここまでそれなりに人物を描いてきたお話で、いきなりこれまでに登場していない第三者が犯人という線はないと考えると嫌でもそう考えるしかなくなったのですが、直前の話まで信頼できる大人としか見えなかったため、特に初回時は悟同様、受け入れることが難しかったです。

殺害の動機も代償行為というくらいであり、本当の理由などないというのも、そんなものなのかもしれません(この点はコミックを見て判明、まあまあ納得できました)。

途中までの行動(児童相談所へのアクション等)と整合性がつかないようにも思いましたが、悟の言葉の影響もあったかもしれませんし、疑いを持たれないための行動だったのかもしれません。

10話で悟が罠にかかって、悪役が堕ちていくサスペンス系の流れに。シートベルトを外せないシーンは身をよじれば外れるでしょうと思ってしまったのと、なぜ一命を取り留めることができたのかは違和感あり(例えば、湖ではなく川にして、悟が水の中で脱出して、犯人から見えないところまで流されて奇跡的に助かるといったシーンを入れる等が必要か)。

最終話も、病院の屋上から飛び降りる過剰演出(5階分の高さにしてはクッションが小さいし、ましてやリハビリ中の病人。屋上で決着をつけるように段取るっしょ)や、愛梨の登場のさせ方がいかにもな形作りに見えました。
(自分なら、悟の愛梨への想いを表現しつつ、踏み出して人間関係を築ける人間になったことを描くために、ピザ屋に行って(バイトを始めて)、愛梨と会うシーンで終わりにしたい){/netabare}

色々と書きましたけど、全体的にノスタルジックな舞台設定で、音楽は梶浦さんですので当然良く、大人もしっかりと描かれていますし(親、家族が描かれている作品は評価します)、前向きなメッセージ(踏み出すこと、信じること)が自然に、実感として伝わってくる作品でした。

小学校でドラクエ3の話をしているというのが懐かしくて、余計楽しめました。私も昔はFFをファイファンって呼ぶ派でしたね。

評価点は初回レビューから二転三転しましたが、最近沢山見た作品の中で一番浸れたこと、3話、8話を含め、9話までの出来が改めて良かったことを評価して再度上げました。私の好きな部類の作品です。

外国人のlive reactionも楽しめる作品(DUB版はよ!)。繰り返し見ても楽しいし、初回よりも情感面は良くなってきました。

(参考評価推移:3~7話4.5→8話4.6→9話4.5→10~12話4.3、調整4.4→4.5→4.6→4.5→4.6)
(2016.6視聴)
※3周視聴。若干コメント修正

投稿 : 2017/05/30
閲覧 : 527
サンキュー:

73

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