ハヤブサ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
一期レビューと以下同文
‥スレインについて一部追記しました。
ここ数年の作品の中では、1番好きかもしれません。ヴァース帝国の姫が地球に憧れ、親睦を深めるために地球へ訪れるところからストーリーが動き出します。それが火種になり、戦争が始まる‥圧倒的戦力をもったヴァース帝国対戦力乏しきながらも戦略と戦術で応戦する地球軍‥渦中で、スレインと伊奈帆とアセイラム姫が、出逢い、交わり、すれ違い、別れを辿ります。
あおきえいさん、虚渕玄さん、高山カツヒコさん、‥私の大好きな作品に深く関わっている方ばかり‥(個人的に)なんて豪華なチームなんでしょうか。ドリームチームといっても過言ではありません。
OPのhevenlyblueはkalafinaさんの曲の中で一番大好きで、神曲です。歌声、ハモりが言うまでもなくとても美しいです。OPの映像も◎、澤野弘之さんが生み出すストーリーで流れるBGMも秀逸で(曲も◎)、戦闘中の緊迫した場面を盛り上げてます。音楽は満点ですね。
スレインと伊奈帆のW主人公‥(スレインの方が濃いですね)互いに信じた未来へ手を伸ばし、ぶつかり合う‥互いに感情移入できるという、私の大好きなパターンです。スレインはもちろん、伊奈帆も好きですね。
伊奈帆‥圧倒的な戦力を前に、オレンジ色に乗って、戦略と戦術で立ち向かう。
「モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差でないことを教えてやる」と、ガンダム相手に体術で応戦した、名少佐の名言を体現してくれます。‥ザクがガンダムで挑むのに近いかもしれません。特に、一期のザーツバルム卿対伊奈帆、最終話のスレイン対伊奈帆はスピード感あって惹きつけられました。 (とにかく戦闘シーンの映像と音楽が素晴らしいです。また、それぞれが特殊機能を持つ強力な火星カタフラクトの強さの特徴を理解して闘うバトルシーンの設定も好みでした)
スレイン‥一つの未来に向かって、全てをかけて運命に抗い続けます。全てはアセイラム姫への想いのために‥苦難を乗り越え、力を手に入れ、やがて道を踏み外し、衰退していきます。哀しい道を辿りますが、姫への忠義心は最後まで朽ちることなく、純粋で魅力的なキャラです。
作中好きなレムリナ姫とのシーン‥
「私はどこにも行きませんよ。私の場所はここにしかないのだから‥」(切ない)
スレインと最後まで闘う意思を伝えるレムリナ姫。
スレイン「見えるものは、ほんの少しだけ、なんでも分かるつもりでいました。でも大切なものは何も見えてませんでした」‥アセイラム姫が皇位継承を宣言した時、スレインはあっさりと降伏を決断します。この時のスレインはもう、闘い続ける理由見失っていました。‥アセイラムのために、地球占領に身を投じてきたはずが、いつしか道を違えてしまっていた。
月面基地爆破前
スレイン レムリナへ「これまでの数々のご無礼、大変失礼しました」「どうかお健やかに‥」
スレインは投降を指示し、レムリナを避難させることを命じます。この時のスレインの、覚悟を決めた潔い笑顔が堪らなく好きです。後は、自分が姫のためにどうあるべきかをスレインは決断していきます。
レムリナ姫の一途な想いに対して、レムリナにはどうか生きて欲しいというスレインの思い‥もう、スレインにはレクイエムしか残っていなくても、色んなものを犠牲にして淀んでいこうとも、最後までその優しさや、アセイラム姫への想いは失われなかった。弱々しくも強い‥そんなスレインが私は好きですね。人は道を違える‥でも、その時、己を見失わずに、何を大切にし、どうあるべきかをスレインは貫いたと思います。
そして、月面基地爆破‥スレインレクイエムが始まります。
この後天才伊奈帆と最後のバトル「もう私に未来など要らない」と向かっていくスレインは迫力ありました。しかし、伊奈帆無双に及ばず、しかも二刀流まで出てくる始末‥この時の伊奈帆 内に熱いものを秘めながらも、冷静に「ファイヤ」全力もカッコよかったです。
最終話「いつか見た流星」にて
スレイン「どうして僕を助けた」
伊奈帆「僕じゃない。アセイラム姫の意思だ。」
回想にてセラム 伊奈帆へ「もう一つお願いがあります。どうかスレインを救ってあげてください。彼を不幸の連鎖から‥どうか‥」アセイラム姫の変わらぬ温情に涙を流すスレイン‥
クランカイン「凄い!どこまでも続く青い空と海‥」セラム「空が青いのはレイリー散乱によるものだそうです。以前地球を訪れた際に、親しくなった地球の方から教えていただきました。‥美しい思い出です。」微笑むセラム。
そして、同じ空の下‥空を見上げ微笑む伊奈帆、微笑むスレイン‥飛び立つ3匹のウミネコ‥そしてhevenlyblue‥
地球での時間を経て、伊奈帆とアセイラム姫は、互いに「もう一つの自己」的な特別な存在になっています。ユキ姉に止めらながらも、無茶をし、アセイラム姫を救うために闘います。スレインも、やり方は違えど、アセイラム姫の未来のために闘います。‥その末、運命に巻き込まれたアセイラム姫は、戦争を終わらせるため、父との涙を流して誓ったヴァース帝国の未来のために、政略結婚をすることとなりました。
‥3人の道は違える‥しかし、大切なことは、スレインとセラムが憧れたいつかの空や、伊奈帆とセラムが見たいつかの空「美しい思い出」は心から消えることはないということ‥変わらぬ同じ空を見るたびに、どこまでもつながっていることだと思います。伊奈帆もスレインもそれを理解している気がしてます‥ここの、スレインと伊奈帆の微笑みがとても好きです‥素晴らしいEDだったと思います。時が流れて‥いつかスレインとアセイラムが同じhevenlyblueをみて微笑む時がくることを信じてます。
‥いつだってハッピーエンドとは限らない‥でも大切なことはそこじゃない‥ef高山さんらしい幕引きでした。
〜蒼い星の光 ただ誰もが恋をして
たった一つの未来のために 今の全て奏でている 君が夢みるなら 側に立って 同じ彼方へ手を伸ばすよ 君が信じた静かな空に いつか僕も届くだろう どこまでも眩しい hevenly blue〜
(特にスレインの想いと運命を思いながら聴くと‥胸が熱くなります)
‥スレインと伊奈帆とアセイラム姫が手を伸ばしたhevenly blueがどこまでも眩しくありますように‥願います。
お付き合いいただいた方、ありがとうございました。