oneandonly さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
美しさに満ち溢れたもったいない作品
世界観:8
ストーリー:5
リアリティ:5
キャラクター:8
情感:4
合計:30
アポカリプスウィルスの発生によって、GHQの統治下にある日本。天王洲第一高校に通う桜満集(シュウ)は、ウェブで話題の舞姫、楪いのりと出会う。だが突然現れたGHQの軍隊が彼女を連れ去り、シュウは残されたシリンダーを手に、ロストクリスマスの惨劇で廃墟となった六本木フォートを目指した。そしてレジスタンス「葬儀社」のリーダー・恙神涯と出会い、遺伝子兵器を巡る戦闘に巻き込まれる。いのりを守るため、その身一つで人型遠隔兵器、エンドレイヴの前に飛び出したシュウ。そのとき、彼は右手に、ある能力を得るのだった。
(公式サイトより)
今回はランキングに関係なく、以前から作画の美しさから気になっていた作品を視聴しました。
まず、キャラデザがこれまで見てきた作品中トップクラスで好みです(並ぶのは氷菓と絶園のテンペスト)。集も涯も格好良いですし、綾瀬やツグミの無意味にボディラインの強調されたコスチュームには抵抗がありつつも、この絵なら享受します。
作画も最高級です。光の色使いがとても良く、1クール目のOPでは、いのりのスカート(のようなひらひら)の描写にはちょっと感動しました。戦闘シーンもよく動きますし、{netabare}序盤の、いのりからヴォイド(武器やアイテムを人の胸辺りから抜き取れる)を抜いて一緒に戦うシーンが良かったです。
このヴォイドというシステム、他人を利用するという構造が面白いのと、恍惚・苦悶のリアクションを描けるのが巧い(ちょっとずるい)です。また、ポカリプスウィルスという人が結晶化する病気が発生するのですが、これもこの世界を美しく彩る設定でした。{/netabare}
それから忘れてはならないのが楽曲。OPは1クール目の「My Dearest」も2クール目の「The Everlasting Guilty Crown」いずれも聴くほどに好きになりました。EGOISTがこの作品により結成されたのも意義深いですね。
ということで、序盤より評価も少しずつ上がっていったのですが、1クールの最終話で…。{netabare}話についていけなくなりました(涙)涯が集に憧れていたというのもちょっと違うように思いましたし、作品の美しさの表現がお耽美に変わっていったように見えました。
それから、涯が復活して、集から右手ごと王(ヴォイド)の力を奪うのですが、それができることがわかっていたらなぜ最初からそうしなかったのか。最後のほうで言い訳のようなことを言っていましたが、私には理解できませんでした。終盤はなぜいのりが復活できたのかわからず、また、結晶化した人間は結晶化から間もなく砕け散るシーンが多かったのに、最後の世界の人々は砕け散らずに救われたのも含めてリアリティ面での疑問もいくつか。{/netabare}
全体的に登場人物に共感できなかったのと、専門用語が多く一見してわからないストーリーだったのが残念でした。作画や音楽等、素晴らしい面もたくさんある作品ですが、傑作になれなかった理由はこのあたりにあるのではないでしょうか。
物語は終わりましたが、音楽にはしばらく浸り続けるでしょう。
(参考評価推移:3話3.9→5話4.0→11話4.1→12~22話3.9→調整3.7)
(2016.6視聴、2017.5調整)