STONE さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ストレートな佳作作品
久々にストレートなヒーローものを見たなという印象。
全体的には1クールをうまくまとめたなという印象。ただ、
まとめるために無難でこじんまりした作品になってしまった
感もある。
キャラの行動に尺を取られたため、世界観やキャラの人間
性は説明だけに終わってしまった感がある。そのため「悪石
(アシ)」と「善石(ヨシ)」の二極の面白みが感じ取り
にくかったし、アルマやナイト、劉兄弟の過去をもっと
描けば、ドラマとしての面白さは増したはず。
バトルシーンは結構見応えありで、特に鏡が操縦する
エンゲージメントスーツのアクションが良かった。メカ・
バトルの良さはさすがサンライズ作品といった感じ。
バトルと言えば、印象的だったのがメイド隊。戦闘にメイド
服とつっこみたくもなるが、場にそぐわないギャップが
ユーモア感を生み、可愛さも相俟って、この作品の持つ明るく
ライトな雰囲気によく合っていた。
残念だったのはシリーズ構成。
序盤から中盤に掛けて、アルマが行動を共にする藍羽財団と
研美研究所が手を組んで、研究所を脱走したナイト達に当たる
という図式が明示されたが、7話においてナイトの発言に
より、藍羽財団側は研美研究所に疑惑を持つようになる。
ここから後半は「真の敵はどちらか?」、そして「その敵
との決着」という流れで、終盤に向けて盛り上がっていけば
良かったのだが、8話でアルマとルリの鎌倉デートがあり、
9話で従来通りの悪石との戦いという、本筋から外れた話が
入ってきてしまい、終盤に向けて加速度を付けるところで
ブレーキを掛けてしまった感が否めない。
単体で見れば、8話も9話もいい話だと思うし、8話は
それまで互いに理解不足な面があったアルマとルリが互いを
理解しあえたし、9話はアルマが戦うことに意味を見出すと
いう、それぞれテーマとして重要な回だったが、こういう
ことはもっと早い段階でやっておいた方が良かったように
思う。
キャラに関しては割と適材適所という印象だったが、主要
キャラのいずれもが何らかのしがらみや信念に囚われて行動
する中、何事にもこだわりなく(石にはこだわっていたが(笑))、
飄々としていた鉱石部部長の若菜が印象的。
学校内の友人という位置付けのため、バトル中心の終盤に
なるとほとんど出番が無くなってしまったが、味がある
うえに、アルマという人間の本質を最初に気付いたキャラ
だけにちょっと勿体なかった。