oneandonly さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
バランスの良い妖怪譚
世界観:8
ストーリー:6
リアリティ:7
キャラクター:6
情感:8
合計:35
小さな頃から、妖怪といわれるものの類を見ることができ、そのため周囲から疎まれてきた夏目貴志。ある日、妖から追われ逃げ込んだ神社で、招き猫の姿をした妖に出会う。
「斑」という名のその妖から、妖たちは夏目を祖母のレイコと勘違いしていること、名前を返してもらいたがっていることを聞く。レイコの遺品の中にあった「友人帳」という名の綴り、それは、夏目と同じように妖を見ることができたため人間から疎まれたレイコが、その寂しさから、妖たちを隷属させる証として名前を書かせたものであった――。
(公式サイトより)
あにこれ上位作品を優先している流れで視聴しました。上位は基本良作以上、悪くても並作という印象がありますが、こちらも期待を裏切らない良作でした。
妖怪の物語というと、蟲師を挫折している(1話単独の物語でドラマ性が足りず、盛り上がっていかなかったため)のですが、こちらは情感に訴える温かみのある話が多かったです。特に{netabare}2話の露神のエピソードが良く、ここでグっとこの物語の世界に入り込めましたね。
「一度愛されてしまえば、愛してしまえば、もう忘れることなどできないんだよ」
という場面から、
「ありがとう、夏目殿。昔も今も、人間とは可愛いものだねぇ」
と言って消えていくまでの流れが素晴らしいのです。
妖は信仰の対象にもなるし、まさに妖怪のような低級霊であったりもします。
日本人は無宗教ですが、八百万の神という感覚が浸透しているからか、この超自然的な存在ながら、神というほど万能ではない存在に温かさを感じるのです。
6話~8話も平凡な妖怪の想いを丁寧に扱った良エピソードでした。
{/netabare}
音楽(BGM)も良く、ほっこりできます。
基本、1話完結の物語構成なので、最後の数話ではやや物語の停滞を感じて評価を抑えましたが、引き続き楽しめそうな作品です。
ということで、未視聴の方はとりあえず2話まで見てもらえればと思います。
少々突っ込むとすれば、{netabare}妖怪の描かれ方が一部手抜きと思えるところでしょうか。これは、少女漫画原作ということを知って何となく納得しました。ちはやふるでも机君や肉まん君があんな感じですが、こういう毒気の抜き方をされるところは、良い面と悪い面の両方あるのですよね。{/netabare}
(参考評価推移:3話4.3→11~13話4.2)
(2016.5視聴)