「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(TVアニメ動画)」

総合得点
72.3
感想・評価
741
棚に入れた
3414
ランキング
1156
★★★★☆ 3.9 (741)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

ダレイオス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

変化球なしのストレートなストーリー構成は良かったのではないかと思う。

ロボットアニメで舞台は火星から始まるみたいですね。
まず見て思うことは、火星なのに宇宙服着てないな・・・とか
重力は描写的に地球と変わらない感じとか、何か違和感があるな・・・のスタートですね。
アニメだからと言われても何も説明なしに
重力は地球と同じっぽい。宇宙服なしでも生活が出来るとか
私の持つ常識からはかけ離れているので引っかかるかな

そして火星の人達は独立をうったえるのだけど
ようするに地球の植民地支配からの脱却がテーマなのはわかりました。
それで地球に独立の交渉に行く令嬢であるヒロイン、クーデリアを主人公達が護衛するというのが
このアニメのストーリー展開の軸になっているようですね。

主人公達はどうも正規の軍隊やテロ組織ではなく
会社という民間企業なのがポイントで
おそらくは警備兵という地位なのでしょう。
その設定は真新しさはありましたね。

ストーリー展開も全てがわかるわけではないけど
序盤からわかりやすいのがポイントかな
クーデリアの命を狙う組織の思惑や
それによって主人公側の内部の動きなど展開はわかりやすく
ストーリーに付いていきやすかったのは良かったですね。
主人公の三日月が操る機体の仕組みも2話で判明するので
気になる部分は説明してくれるので、親切な作りなのも良かったです。

三日月がモビルスーツに乗る時は上半身裸だったり
設定的に鼻血を出しながら戦うのも
何か特定の層を狙っている感じはしましたが
泥臭く戦うこと自体は面白く個人的には結構好きでした。

ただし三日月に関しては
彼は目的のためなら無言で冷徹な所業をやってのけるので
かなり評価のわかれるキャラだと思いましたね。
いくら相手が酷いとはいえ
それ以上に酷い仕打ちをやってのけるのは今風の作風だと思いました。
しかしながら展開的には状況が状況だし
そういう行動をとった裏付けや流れはハッキリしているので
意味不明ではなくてストーリー展開は理解出来たし、納得も出来ました。
後半は敵が戦うのを30分待ってあげるというか
30分待ってくれみたいなことを言っていたりするのだけど
それは殺し合いをしている戦いにおいては甘すぎるくらいなので
それを無視する三日月の冷徹な行動はキャラのズレがなくて
後半はキャラの設定を戦いの場面で上手く演出という意味でいかせたと思うのだけどね。
それに敵にはそれぞれの都合があり考えがあり正義もあるのかも知れない
しかしながらあくまでも敵側の都合でしかなく
無論、三日月には関係ない。目的を効率よく達成するために行動したにすぎなく
綺麗ごとが通用しない戦いは描けていたとは思います。
しかも30分待ってくれは敵の気持はわかるので敵の怠慢には見えないので
極端に敵をアホにせず三日月のキャラ設定をいかすことが出来たのは良かった。

キャラの掘り下げも中盤から丁寧にあり
三日月がどのような心境で戦っているのかが
わかってきたり、クーデリア何故地球に独立の交渉に行く
のかもわかりやすくてキャラに感情移入しやすかったです。
オルガは鉄華団のリーダーをどういうつもりで
やっているのはわかったし、時より無茶な行動も
仲間を家族のように考えていて、みんなと離れ離れになるのが嫌なことも
丁寧に掘り下げられているので
どうしてそのような行動をとったのかは気持はわかるので
キャラの行動原理もわかりやすかったです。

戦闘シーンは最近のアニメなのでよく動くし
かなり迫力はありましたね。
荒探ししなければ満足出来るだけのクオリティーはありました。
基本的な戦い方は遠方から実弾で撃ちあったり
接近戦でロボット同士で殴りあったり
火星の大地で戦ったり宇宙空間で戦ったり
バリエーションが豊富で飽きさせない工夫はあったと思います。
中でもロボット同士で殴りあったりのシーンは派手な映像的な迫力だけでなくて
殴られてパーツやロボットの部品が飛び散る
重さを感じる演出や殴られてかなり効いているなと実感出来る
効果音などがあって、戦闘シーンは見応えがあったと思います。

ストーリー展開は全体的に丁寧というか1話でかかげた
地球に独立の交渉に行くクーデリアを主人公達が護衛するという
目的を2クールやり通した構成で斜め上な展開のロボットアニメが多い中
変化球なしのストレートなストーリー構成は
序盤のわかりやすいストーリー構成共に個人的には良かったですね。
ストーリーのテンポも速すぎず遅すぎず丁度い感じに進み
感情移入しやすい作りになっていたのも良かった。
いくらもの凄くテンポの速いアニメで退屈しない内容だったとしても
見ている側に余裕がないのと感情移入しづらいと思うし
作り手がよっぽど上手ければ別なのだけど
上手く作れてないケースが多くて
下手をしたら5、6回見直しても内容を理解出来ないので
個人的にはテンポの速いアニメは一部例外があるとはいえ
あまり好きではないのでので丁寧な作りには好感は持てた。

丁寧な作りのおかげで、中盤以降増える
キャラ同士の人間ドラマは見応えがあり生身の人間のやりとりな感じが良くて
敵味方問わず1人1人しっかりとしたドラマは描けていました。
後半では労働者達の境遇やそれに対して敵である
ギャラルホルンの厳しい仕打ちも描かれるので
そういった中での人間ドラマや各キャラ達の考えは考え深いものがあり
1人1人各キャラの物語として描けているし見せ場もあったし
そのおかげで鉄華団のメンバーの友情も見ることが出来たし
クーデリアは最初は頼りなかったのですが色々なことがあり
成長して凄く素敵な女性になっていたので
各キャラの物語の見せ方は個人的には凄く良かったです。

キャラの死も多いのだけど、単なる殺すだけのイベントではなくて
最後まで見るとその後のストーリー展開に意味を持たせていたと思うし
死んだ人に対しての思いは、その後の展開で痛いほど伝わる
ぐらい描けているのでストーリーにいかされたのは良かったと思います。
そういえば主人公である三日月はキャラの性格上
感情は表に出さない分、色々なキャラが人の死に対して
考えているので色々な人の考えが見られて良かったですね。

そういえば上で特定の層を狙っていると書きましたが
あの部分以外は意外にも視聴者サービスとか萌え要素とかは少なかった気はしますね。
私が気が付かなかったからかもしれませんが全体的にまじめに進めてくれたのも
良かったかな、男性キャラは変にカッコ付けのキャラは少なくて
自分達が理不尽に思ったことを正直にぶちまけたり、怒ったり
自然な人間味にあふれた感じになっていたのも良かった。

最後まで見ましたが問題点は結局クーデリアが火星から地球に出向いた
必然性があまり感じられなかったかな
出る前から、今の時代わざわざ出向く必要があったのかと思いましたが
最後まで見ても、あまりその意味があったのかとなると
どうなのかな・・・と思ってしまいました。
それを言ったら話が始まらないのはわかるんですけどね。
気になる点もあと三日月は身を削ってモビルスーツに乗っているので
設定的に最後は嫌な予感しかしないですね。

作画については上で書いた戦闘シーン以外でも
キャラデザインは作風に合った地味な感じは良かったですね。
渋い感じのカッコ良さを感じる男性陣や
女性陣も自然な感じの可愛さを感じる作画だったと思います。
ロボットの作画も細かい汚れやきめ細かい部分まで描かれていたので
全体的に作画はしっかりしていたと思います。
作画の崩れとかも1話から最終回までなかったし
作画クオリティーは頑張っていました。

声優さんについては作風的に地味なのですが人間ドラマ的な部分が大きい
展開もあって場面場面での感情のこもったしっかりとした
喋りはかなり良かったですね。
個人的な好みなのもあるのですが声質もキャラに合っていたと部分は良かったです。
クーデリア役の声優さんは落ち着いた令嬢らしい感じがよく出ていたので
見た目のキャラと声質と性格がピッタリだったですね。

舞台が火星ぽくない違和感はありましたが
最初に目的をかかげて、それを丁寧に進めて人間ドラマも見応えがあり
敵と交戦するロボットアニメのストーリーとしては個人的には良かったと思いました。
わかりやすい内容なのも良くて
2クールで描かれたロボットアニメとしては出来が良かったと思います。

投稿 : 2016/06/05
閲覧 : 250
サンキュー:

10

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