蒼い✨️ さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
芯が存在しない登場人物たち。
アニメーション制作:J.C.STAFF
2011年7月 - 9月に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、杉井光のライトノベル。
【概要/あらすじ】
東京都の渋谷にある都立高校に通いながら平凡な灰色の日常を送っていた一年生・藤島鳴海は、
道に迷い通りかかったラブホテルの前で偶然に騒動に居合わせたことから、
ワケありの男女、そして現場を収めようとする三人の若い妙な男達と知り合います。
そして明くる日、同級生の少女・篠崎彩夏と仲良くなって園芸部に入り、
彼女のバイト先のラーメン屋に連れて行かれたところ、三人の男達と再会します。
彼らはニート。ニート探偵団の一員であり、とある事件を追っていて例の男女をマークしていたようです。
話の流れで鳴海はニート探偵団のリーダーに会いに行きます。
リーダーの名前は、紫苑寺 有子(しおんじ ゆうこ)
通称・アリス。背の丈は小学三年生程度ですが、年齢は中学生ぐらい。
エアコンの効いた薄暗い部屋でベッドの上で常にパジャマ姿。
パソコンとぬいぐるみに囲まれたひきこもり生活をしていまして、
部屋を一歩も出ること無くインターネットとクラッキング技術を駆使して、
推察力で事件の真相に辿り着く。彼女こそ、この物語のヒロインにしてニート探偵なのでした。
主人公・鳴海はアリス達と関わることで、
ヤクザなどの渋谷の裏社会・事件などに首を次々と突っ込んでいく、
という物語です。
【感想】
あにこれ内でのランキングと得点が高いのにも関わらずキャッチの人たちの評価が低いという現象に、
興味が湧いて視聴しました。
J.C.STAFFだけあってOPアニメは禁書目録などにイメージがかぶるかなあ?
キャラ原案が岸田メルでシリーズ構成が超電磁砲の人。
主題歌「カワルミライ」を歌ってるのがChouChoで、結構な自分好みな曲。
出だしとしては期待しても良いかも?って感じでした。
見終わって、思ったこと。
まず…ニートってなんぞや?
「15~34歳までの若年無業者」
無職であれば、なんでもニートなのかな?という疑問。
私がニートの定義に詳しいわけではないですので、ただの思いこみかもしれませんが。
ひとりは15歳に達していない学校にも通っていない中二病台詞羅列少女。探偵で収入を得ているので自営業ですし。
ひとりはヤクザや警察らに顔が利くケンカ自慢。ギャンブルで食いつないでるという設定。そんなニートはいないよ。
ひとりは好き勝手して大学に8年間居座る予定の卒業する気皆無くん。親の金をドブに捨ててますよねえ。
ひとりは超ジゴロ気質の女ったらし。たくさんの女性に貢がせて生活してる。ヒモであってニートとは違うような?
とりわけ三人の団員の男達なんて生活感皆無なアウトドアな日常を送っていまして、
引け目も悲壮感もなく堂々とし過ぎている彼らの逞しさと行動力に違和感が強すぎて、
リアルニートじゃなくてファンタジーニートだという感じ。
そもそも、一名(それも本当のところはよくわからない)を除いて親の脛をかじらず生きてる時点でなんか違いますw
作中にでてくるヤクザ「四代目」もカッコイイ若者として描かれていますし、
ヤクザやニートなど、まっとうな人生からハズレてしまった人たちを、
花の慶次の“武士”に対する“傾奇者”みたく、“宮仕え”に対する“自由人”ポジションで美化してる感じ?
もしかして、ニートやヤクザをキーワードにして登場人物のアクセサリー・ファッションとして用いています?
そういう立場にある人たちのリアルな目線に立った人物描写をせずに葛藤や本質みたいなものにも触れずに、
援交やらドラッグや死やらショッキングなネタをベースに、
自称ニートたちを事件を収束に向かせるための便利な道具としてイベントを消化しているだけの物語で、
どことなく人物の掘り下げが浅くて薄っぺらいというのが、この作品から私が得た印象ですね。
だから、物語の終盤にアリスが全国のニートに対するエールみたいな台詞を吐いても本当に薄っぺらい。
名台詞のつもりで脚本に書いたのでしょうが表層的すぎるために、
ニートでもニートじゃなくても誰の心にも響かないでしょう。
一見、感動要素を含んだドラマチックなアニメに見えて、どことなく違和感が拭えない内容。
上記の理由から、社会派作品にも娯楽作品にもなれなかった中途半端なアニメというのが私が下した評価です。
主人公についての苦言は他のレビュアーが散々に呈していますので割愛します。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。