「true tears[トゥルーティアーズ](TVアニメ動画)」

総合得点
87.3
感想・評価
6161
棚に入れた
26402
ランキング
164
★★★★☆ 3.9 (6161)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

丁寧な心情描写でキャラの魅力を存分に表現出来ている良作。【総合評価:71点】

2008年冬に全13話で放送された作品。

あにこれ でレビューを読み視聴に至った作品
まずは一言、こんな良作を自分は見逃していたのか!!

ジャンルを言えば恋愛物になりますが、ありがちなキャラクター重視の恋愛物やラブコメのように明るい雰囲気ではなく、切なくリアリティに富んだ複雑な人間関係を深く描いています。
一人一人の心情描写がしっかりと成されていて、そこが一番の評価点でもあります。

各キャラクターへの視点の切り替えや台詞回し、あえて台詞で表現するのではなく各キャラの表情や雰囲気での表現していたりと、製作者の構成力には脱帽
特に他の恋愛物と相違ないシーンも演出の良さで視聴意欲を削がないように出来ています。
13話構成の恋愛物ですが物語にメリハリがあり、しっかり結論まで描く、とても完成度の高い内容でした。


そして魅力的なのが乃絵、比呂美の両ヒロイン。
対照的な存在であり、その対比を分かり易く見せていた面
対照的であっても、心情描写が丁寧なので両ヒロイン、どちらにも共感できる面があり、感情移入しやすいと言った点が素晴らしいと思いました。

乃絵は、浮世離れした雰囲気でありますが明るい性格、眞一郎への恋を自覚して恋する少女の振る舞いを見せてくれます。
恋を自覚した後も、現実ではそうそう居ないだろと言うほどの純真さを見せ付けてくれます。
そして、作中でどんな状況でも涙を見せない。

対する、比呂美は出来過ぎではありますが、現実味のある女子高生ですが何処か影がある。
自身の境遇から眞一郎への恋心を押し殺す葛藤と突然現れ眞一郎の心に入っていく乃絵への嫉妬
比呂美は、純真な乃絵に対し、人間のあまり奇麗ではない感情なども見せてくれて、とてもリアルな存在でした。
やはり、乃絵とは対照的に作中では要所要所で涙を流しております。

そして、この両ヒロインの間で揺れる主人公の眞一郎
物語の開始では、比呂美に好意を抱いていますが、不意に知り合った乃絵に次第に惹かれる。
まぁ、眞一郎は絵本作家を目指していて、乃絵の浮世は慣れした性格や言動に、ある意味興味の方が先行
乃絵が自分に好意を向けている事から、その先行していた興味を履き違えたって気もしないではないですが……
ですが、最終的には自分でしっかりと考え、比呂美を選ぶ事が出来たのでどっちつかずの主人公にならず良かったと思います。

そして、この作品はトリプルヒロインを敷いていたようですが・・・・・・
愛子、トリプルヒロインと言うには少し、パンチが弱かったですね。
乃絵と比呂美は、両者に繋がりがある為、両者意識しあったり、対比やらがし易かったのですが、愛子に関しては乃絵、比呂美との繋がりが薄く、どうもあの二人と競えていた感じはしません。
寧ろ、乃絵と付き合いながらもやはり比呂美への気持ちを拭い切れない眞一郎に、しっかりと結論を出さねばと自覚させる補助的な役回り
トリプルヒロインの一角として見れば不足していますね。
しかし、眞一郎の親友の彼女だが本当に好きなのは眞一郎
好きな人の傍にいるために、その人の傍にいる人と親しくする。愛子のコンセプト自体は非常に現実味もあって良かったですね。



と、長々と書き綴ったわけですが……
心情描写が緻密に描かれ、キャラクターの魅力を存分に表現出来ている。
その為、共感できたり感情移入がし易いので、恋愛物としてそこまで珍しくない内容でありながらも非常に視聴しやすい。
以上が自分の言いたい事です。


非常に恋愛物としては素晴らしい作品、アニメと言うより一種のドラマにも近い感じですね。
ラブコメのような終始明るい雰囲気はないですが、リアルなので物語に入り込み一気に見ることがお勧めです。
視聴していない方、ぜひ一度視聴してみてください。

投稿 : 2013/07/27
閲覧 : 674
サンキュー:

78

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