keylove さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
本当に喋りたいこと、それを歌にしたら心が紡がれました。感動作です(涙腺崩壊)
えっと、ずいぶん前から絶対に観るって決めてた作品です。
なんせ、あの花のスタッフが「超平和バスターズ」名義で製作スタッフとして関わってるんですから。
あの花は好きだけどこれは観ないなんてそれはないですよね。
でももちろん、観たあとの感想はそれぞれだと思います。
先に書いておきますが、作画はもちろん素晴らしいです。
ちょっとした風景にもこの作品の繊細な心が表れている感じがしました。
さすがは、A-1 Picturesさん、そして超平和バスターズですね。
この作品の設定について少し。
{netabare}
これがもし設定として、主人公は喋れない障害を持ってるっていうのなら、僕は高評価をつけませんでした。
そんな差別的なことでお涙ちょうだいなんて大嫌いだから。
{/netabare}
でもそうじゃなかった、それは予告ですでにわかったことですから。
でもさすがに高評価が多いですね。
もちろん僕も高評価をつけました。
これほどシンプルに心というものを描いた作品って、意外とないんじゃないかなあ?
っていうのもあります。
幼い頃って(子供たち全部に言えることなのですが)けっこう残酷だったりしますよね。
それは自分が思ってることをなんのためらいも疑問も躊躇もなく口に出してしまうから。
もちろんそれは大いに人を傷つけることがあります。
多くの人は、子供の頃のことなんて覚えてないんだと思うけど、この主人公は自分の言葉が発端で、自分の心に足かせができてしまったんですね。
最後まで観ればわかることだけど、やっぱりこういうことだったのか。
って思うかもしれません。
ただ単に
{netabare}
ファンタジーだと思って視聴を進めていく人がほとんどのようにも思いますけど。
僕も途中までそうだと思ってましたから。
じゃないと、この主人公が哀れでしかたないから。
でも、これは自分が幼い時に作った幻想であり、それによる心的傷害のようなものですよね。
それも実はありがちなんですけどね。
人の思い込みって、身体の変調どころか、本当に恐ろしい病気まで発症させるほどに影響があるんですから。
{/netabare}
という風に考えました。
この作品は、主人公が救われていく渦中でのクラスメイトたちの心の動きや、優しさやそれぞれの葛藤が同時に描かれていて、それがまた一層感動を呼んだんだと思います。
それになんと言っても歌が素晴らしいです。
作中ではこういうのもあるんだってさりげなく歌の形式についての描写がありましたけど、僕はこういうの知らなくて、本当にびっくりしたし感動しました。
ネタばれにしても、言葉で伝わるものじゃないだろうから書きますけど、
これは歌を重ねてるんですよね。
具体的には、
ベートーベン-ピアノソナタ第8番 悲愴
と
Over the Rainbow
が重ねて歌われています。
どちらも絶対にみんなが聴いたことのある曲なのですが、こういう風にできるんだなって本当に感動しました。
作中で言ってるのは、オペラだとこういうことをやることがあるって言ってましたね。
オペラは苦手で知りませんでした。
他にも歴史的に価値がある名曲たちを使って、劇中歌が披露されます。
それがとても歌詞に合っていて美しいので、ぜひここまで観て、そして聴いてほしいです。
間違ってたらごめんなさいですけど、水瀬いのりさんと雨宮天さんが歌ってますよね?
あ、他にもいるんだけど、主要な曲に関してはそのままcv担当の人たちが歌ってるものだと思ってます。
それが本当にどの曲も素晴らしいです。
合唱曲みたいに編曲されてるので、特別歌が上手いとかそういう意味合いではありませんけどね。
ちなみにクレジットされている曲は
あこがれの舞踏会(スワニー)
光のない部屋(サマータイム)
燃えあがれ(ダローガイ・ドリーンナィユ)
word word word(アラベスク)
わたしの声(グリーンスリーブス)
玉子の中にはなにがある(Around the World)
心が叫びだす&あなたの名前呼ぶよ(ピアノソナタ第8番 悲愴&Over the Rainbow)
となっています。
わたしの声のところでは鳴いてしまいました。
では簡単にキャラ紹介しておきます。
{netabare}
成瀬 順(なるせ じゅん)-水瀬いのりさん
本作の主人公の女の子で、トラウマから言葉を発することができなくなり、自然と周りとも距離を置くようになっている子。
でも拓実と出会ってからは、身振り手振りでのリアクションをするようになり、その感情表現は非常に豊かです。
cvの水瀬いのりさんは、ご注文はうさぎですか?、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか、がっこうぐらし!、など多数で大活躍されています。
ちなみにこの作品で日本映画批評家大賞新人声優賞を取っていますし、第10回声優アワードの主演女優賞でもこの作品に言及しているようです。
坂上 拓実(さかがみ たくみ)-内山昂輝さん
本作の中で重要な役割を持つ男子生徒の一人。
ちょっとしたきっかけで順とコミュニケーションを取るようになり、また一緒に目標に向かって進むようになる。
ピアノでの編曲が上手い。
cvの内山昂輝さんは、屍鬼、IS 〈インフィニット・ストラトス〉、Charlotte、など多数で大活躍されています。
仁藤 菜月(にとう なつき)-雨宮天さん
本作のヒロインの一人で順のクラスメイト。
チアリーダーの部長を務め、クラスでは中心的人物。
拓実と付き合っていたという過去があるが、その実情は手もつないだことがないというもので、順のことを気にかけるが、その反面、心が揺れることもある。
cvの雨宮天さん、一週間フレンズではスキマスイッチの「奏」をカバーされてて、それがとても上手くきれいで良かったんですけど、この作品においての歌も素晴らしかったですね。
こういう雨宮さんが好きです。
一週間フレンズ、プラスティック・メモリーズ、魔法科高校の劣等生、など多数で大活躍されています。
田崎 大樹(たさき だいき)-細谷佳正さん
主人公たちのクラスメートで野球部のエースだけど、肘を痛めてしまい、野球ができない日々が続いて葛藤していたり、イライラしていたり。
でもクラスで発表会があると決まって、主人公たちと行動を共にするようになって、その気持ちや言動が変わっていきます。
cvの細谷佳正さんも一週間フレンズに出られてましたけど、あの役のようにぶっきらぼうでいて、芯が優しいあたりがこの作品でも上手かったです。
ちはやふる、進撃の巨人、ストライク・ザ・ブラッド、など多数で大活躍されています。
城嶋 一基 (じょうしま かずき)-藤原啓治さん
クラスの担任であり、音楽教師。
この作品において、とても重要な役割を持っていて、この人がいるからこそ作品がこういう音楽という形になって進んでいくんですね。
素晴らしい先生でした。
cvの藤原啓治さんは、クレヨンしんちゃんの野原ひろしです。
この人は他にもけっこう出演されていて、さすがっていう存在感を発揮されていますね。
荒川アンダー ザ ブリッジ、ココロコネクト、ジョジョの奇妙な冒険、など多数で大活躍の日本のトップ声優さんですね。
{/netabare}
ここまでにしておきます。
いやはや、本当に声優さんたちの演技がまた素晴らしかったです。
だからこそ、歌にもストーリーにも感動することができました。
「Harmonia」
作詞 - コトリンゴ / 作曲・編曲 - ミト(クラムボン) / 歌 - コトリンゴ
も素晴らしい曲でした。
個人的に、あの花を超えて泣くということはありませんでしたが、どこかあとに残る余韻が美しくて、やっぱり感動したんだなって思いました。
ちょっとここを変えます。
曲を聴いてたら(まだ買ってないのがすみませんですが)
本当に涙があふれてきました。
大きな音で映画館で聴けたら良かったのにって思ってます。
超泣けました。
心の叫びを音楽と共に聴いてください。
恋の行方も・・・。
とにかく観て損はないです。
おすすめします。