ふの人 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
京アニ成長の歴史
いざ見終わってみると、もうこれ以上にない程にまっすぐな作品で
まるで映画でも見ているんじゃないかと錯覚してしまうほどの感覚に襲われました。
特にそれぞれしっかりとキャラ付けがなされた吹奏楽部の面々は
回を重ねていっても新たな発見があったりしていてなかなか最後の最後まで
油断ならない注目要素の一つだったような感じで視聴の楽しみの一つでした。
涼宮ハルヒからもう来年で10年が経とうとしているのですが、
その10年で京アニの圧倒的な表現力の成長っぷりを実感させられました。
1カット1カットがとても丁寧に描かれていたのは一目瞭然だったのですが、
そのなかでも第12話では夏の鮮やかかつ暑苦しい彩度の高い色味の表現は
青春の夏!であり艶やかさには目を奪われました。
「たまこ」の感想でも書いた光の当たった髪の毛一本一本の表現も
本編においてきちんと描かれていた事はまさに成長の証ともいえるでしょう。
楽器の音の表現も、オーディションのシーンではどのような差をつけるのかと思ったのですが、
その音表現にはちょっと引くくらいの大胆さで表現してくれたので
私のような初心者のような人間にも納得のできるものだったように感じました。
それにしてもここまで楽器の音に秀でた作品は今まであったんでしょうかね?
画からも音からも、京アニの自信がひしひしと伝わってきた作品だったので、
もっとオリジナルかつオンリーワンを目指せるようなものでも良かったのではないでしょうか…。
あまりにもけいおんや中二恋を意識しすぎた要素が目立ってしまった印象で
個人的にそれはとても勿体なかったんじゃないかなと思います。
結局それらの作品と比較されてしまうという事象につながってしまった様な気もするので
これだけ洗練された作品なのだからもっと突き詰めても良かったのに、とそこだけが残念でした。