東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これを観なきゃ人生の損です
放送版ブルーレイ所有。
劇場版2回視聴済み。
(一般ホールと4DXホール)
監督:水島努
脚本:吉田玲子
アニメ制作会社:アクタス
主題歌「piece of youth 」:ChouCho
イメージソング「GlolyStory 」:ChouCho
挿入歌「おいらボコだぜ 」:ボコ(cv:藤村歩)
・キャスト
キャラ多過ぎで省略。(ファンの方なら分かるでしょう。)
アニメ史上最高のエンターテインメント作品と言っても過言ではないです。
上映時間2時間があっという間でしたから!
素晴らしい作品は他にもありますけど、劇場版ガルパンは別格ですね。
ちなみに「響け!ユーフォニアム」や「君の名は。」はストーリーと映像の調和を観る「静」の素晴らしさ、ガルパンはアクションを堪能する「動」の素晴らしさで視点が全く異なり比較にはなりませんので念のために。
客層もガルパンはおじさん率が異常に高いですから。
設定やストーリーは放送版やOVAでも書きますけど、ガルパンはストーリーで観る作品ではないし、序盤は戦車戦を行う切り口にすぎず、ここをとやかく突っ込んでも意味がありません。
{netabare}高校チームは特色ある学校と搭乗戦車でキャラが立っているので、人数が多くても覚えやすい。
劇場版の対戦相手は大学選抜チームですけど、正直、島田愛里寿しか覚えられなかった。
愛里寿だけでこのチームは十分か。
ちなみに愛里寿のcvは竹達さんです。
女の子を戦車に乗せる舞台装置が戦車道という発想がほんと面白いし「道」があれば「流儀」があって「家元」ですし、13歳の愛里寿が飛び級で大学生、大学選抜30両に対して大洗女子はたった8両の大ピンチです。
でも大学選抜に対抗するために各高校のライバル達が大洗女子に助っ人する設定もぶっ飛んでいながら上手い設定を考えたモノだと感心したり、呆れたり。
競技戦車の特殊装甲設定は強度のカーボンよりも対弾性があるケプラーの方がリアリティがあったかな。
エキゾビジョンマッチ「大洗女子学園&知波単学園VS聖グロリアーナ女学院&プラウダ高校」でスタート!
ここで本戦の伏線が結構あるんですよね。
知波単学園の突撃自滅はもう「病」ですけど、傍若無人キャラのカチューシャに意外な側面が!本戦ではカチューシャの本当姿がお目にかかれます。
楽しいエキゾビジョンが終わると、一転シリアス展開に。
一度は廃校の危機(放送版)を乗り越えたかと思われた大洗女子学園。
しかし、廃校撤回は「その可能性も」で「約束」ではないと開き直った文科省の担当の詭弁で廃校が現実化していきます。
某ラブライブと似ていますけど(時系列的に某ラブライブがガルパンに似ているのか)大洗女子学園の廃校が賭かった戦いです。
学園艦退艦後のそど子達風紀委員のだれきった様子が笑えましたね。
戦車の接収を免れるためにサンダース校が輸送機を出す場面、ちょっと感動。
輸送シーンも派手で迫力満点です。
いろいろ根回しをやり大学選抜チームに勝利したら学園存続で、今回は言質が変わらないように一筆をとった生徒会長、よく学習したね。大人は狡いからね。
交渉の行きがかりで事実上、西住流と島田流の対決です。
劇場版で新たに登場した高校。
【知波単学園】
隊長:西絹代cv瀬戸さん
主力戦車:九七式中戦車
軍装:帝国陸軍
九七式中戦車は別名チハ車といいます。
ミリオタの間では「チハタン」の愛称で有名です。校名の由来も分かりましたよね。
帝国陸軍の戦車に対する評価は辛辣ですけどWW2の主力チハ車は歩兵支援戦車で、ドイツやソ連のように対戦車戦を想定していない設計ですので仕方がありません。
対戦車戦闘用75mm砲を搭載した三式中戦車(チヌ)の実戦配備は1944年の暮れ以後で主戦場である中部太平洋やフィリピン沖縄方面に少数輸送されたそうですけど、これが活躍したとなれば実戦配備が行き届いた本土決戦でしょうから、チハタンで幕を引いたのは不幸中の幸いとも思えます。
隊長の西のモデルは、バロン西で有名な西中佐。硫黄島で戦死されています。
【継続高校】
隊長:ミカcv能登さん
主力戦車:BT-42(区分としては自走砲)
校名モデル:フィンランド継続戦争(対ソ連戦争)
軍装:ジャージ
特別装備:カンテレ(フィンランドの民族楽器)
フィンランドの反ロシア(ソ連)感情はヘルシンキで直に触れてきました。
どこでも隣国が非常識だと大変です。
ガルパンファンの多くはストーリーは舞台装置で、目的はアクション、大画面で圧巻な戦車戦に魅了されたと思います。
【ガルパンはいいぞ!】は、もう形容する言葉が出ないほどの圧倒的な迫力で戦車同士のアクションが繰り広げられるもの凄さを一言で表した表現ですね。
これが4DXですと、もう実戦の場にいるような効果音の解像度に身体を突き抜ける感覚の爆発音ボディソニック、音圧や解像度が全然違うんですよね!
音響はとにかく、実写戦争映画を上回る大迫力です。
戦術オタの方々はいろいろ矛盾点を言いますけど、これは実戦ではなく一応競技ですからね。人殺しの戦術とは違っていても見せ場がしっかりしていればいいんですよ。
戦闘シーンのメリハリのつけ方も引き込まれる理由です。
大学選抜の秘密兵器「カール自走臼砲」の巨弾が炸裂し、爆発音響の凄まじさと、派手な演出の爆発エフェクト!想定外の奇襲を受けた姉達の絶望感。
そこに継続高校が助っ人にあらわれ戦局が好転します。
そして、意外な活躍を見せたアンツィオのCV33、アンツィオ戦のOVAはこの為の伏線だったのかもしれません。
観覧車を使った「映画1941」のオマージュや見所も満載です。
キャラにネタを交えたスポットを当てて常にキャラ目線で戦闘を追わせる巧みな演出、縦横無尽に繰り広げられる戦車同士の熱い戦い、カメラワークもオンボードで戦車から俯瞰した景色で臨場感を盛り上げるなど、数え上げればキリがないです。
レオポンさんチームの初代ソアラが疾走するシーンもあり、とてもきめ細かいファンサービスもしてくれています。
それにしても愛里寿の指揮能力と強さは異常。
でも、最後はまほみほの姉妹愛と信頼の連携で西住流の底力を見せつけ、みほが愛里寿のセンチュリオンを0距離射撃で相討ちに持ち込むとか演出が凄すぎます。{/netabare}
水島努監督はストーリーものよりもアクションの方が向いているでしょう。
ガルパンの演出からは、とても迷家の風呂敷広げっぱなしの演出は考えられません。
人それぞれ得手不得手というのはあるんですね。
結局ガルパンの感想の締めは
【ガルパンはいいぞ!】
この一言で十分に表現されてしまいます。
作画の▲0.5ポイントは2Dのデッサンが若干崩れていたところがあったので減点です。
まだ、上映中ですので観ていない方には是非4DXホールでの鑑賞をお勧めします。