退会済のユーザー さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

太陽と月の誘惑

大学を舞台にした、記憶喪失をあしらったラブコメディ。

主人公の境遇が、酷で難儀。やや重い設定。
それに伴い、周囲に関わる者は、難しい立ち振る舞いを迫られるケースが多かったのですが、不安や焦燥感といった、揺れる心や行動が丁寧に描かれています。
登場キャラの性格に準じた、難しい境遇に対する行動が様々で、そこに善し悪しの人間味があり、少し興味深いものがありました。

そして、一際大きなの存在感を放つ主役級ヒロイン。
{netabare}その破天荒さ{/netabare}が目に付くところはありましたが、この作中・作風の中においては、救いになっていたように感じます。
過去も現在も、全てを前向きに未来へと導いてくれる太陽のような存在でした。
もう一方のヒロインは、太陽のように眩しい光ではないものの、月の光のような、包み込むような優しい光を放っていた印象。
対極的でありながらも、いずれも魅力あるヒロインだったと思います。
{netabare}どちらかを選ぶ{/netabare}のは、さぞかし難しいことかもしれないですね。

話の展開は、やはり重く鬱になりかけることはありましたが、ラブやコメディといった作品を彩るアクセサリー的な要素も多様だったので、本筋から上手い具合に迂回と寄り道をさせてくれていたように思います。
見るに苦しくなることなく、楽しめましたし、純粋に次が気になる心持ちとなりました。
総合的に完成度高い、優れた作品だと思います。