にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
鬱になりそうな作品だった。
「身体を改造した少女の殺し屋」を運用する対テロ機関「社会福祉公社」と、
犯罪やテロによってイタリアを恐怖に陥れるテロリスト集団「五共和国派」との戦いを軸にしたアクションアニメ。
っと言葉にしてしまえば単純なのだけれど、
ちょっと考えさせられるアニメだった。
{netabare}「少女に与えられたのは、大きな銃と小さな幸せ。」
っというキャッチフレーズ…。深い…深すぎるよ…
「義体」と呼ばれる少女たち。
元となる体は重体負傷者や重度な身体障害者などから選ばれ、
脳は「条件付け」と呼ばれる洗脳処理を施され、身体も8割が強力な人工物に置き換えられている。
いわゆるサイボーグ化だ。
強じんな肉体に、死を恐れない精神力。
精神力といっても、薬等で洗脳されているため、指揮官に従う事や、殺人に抵抗を持たない、自己犠牲も厭わない。
指揮官が危険に晒されたら、反射的に銃を向け、
指揮官に忠誠を誓っているが、指揮官たちは事務的というか、割り切り方が凄かった印象。
少女たちの目は、基本無表情だが、話数を重ねていくにつれ、
やっぱり普通の女の子と変わらないんだなと思わせた。
(そこがまた切ない。)
「条件付け」をする事により、仕事は効率化するが、
同時に副作用として記憶障害や短命化などは、分かってはいるけど観ていて心苦しくなった。
それでも、全てはパートナーの為にっていう少女たちの、
銃を持ち仕事をこなし、認めてもらえた喜び、役に立てた喜び、
これがあのキャッチフレーズかと…
一見、愛情の芽生えかとも思わせるけど、それは愛情とはちょっと違うよね・・・
私はなんとも言えない感情が湧いてきたよ・・・
{/netabare}
この作品は、何より作画がいいと思った。
キャラの描写も条件付けの部分が良く出ていて、シリアスな内容にぴったりだった。
BGMの物悲しさや、重たい雰囲気が非常に活かされていて、
キャラデザの好みはあるかもしれないけど、個人的には凄くいい出来だったと思う。
戦闘シーンは意外と地味ですが、
まぁ2003年にやったアニメですからね。多めにみましょう。
最終回は、賛否あると思いますが、
視聴者にいろいろな感情をうえつける内容ですので、個人的にはこれでよかったかな。
複数の少女たちにしっかりピントが合いますので、
個々の少女たちのエピソードも見所の一つだと思います。
設定はとても良かったですが、
全体のストーリーを考えると物足りない気持ちにもなります。
「楽しい」とか「面白い」って内容ではありませんので・・・
観る前は「ブラックブレッド」のような内容かなっと…
パートナーがいて、少女たちが闘う…
だが、全然違った。そんな「パートナー同士の絆」みたいなものはなかった。
この作品は、少女たちが魅力的ですので、
あまり感情移入してしまうと、本当に切なくなるでしょう。
長くなりましたが、読んで頂きありがとうございました。