幽霊な校舎 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
「近づくための猶予」
(短編ごとに)
□ 彼の視点、短編1話
吹きすさむ向かい風
身体を追い越して進む気持ちは
とうとう見えなくなった
微かな記憶の灯火は
途切れ途切れに泣いているみたいだ
重なる桜と雪のダンスは
どうしようもなく
暖かくて冷たい――
□ 彼女の視点、短編2話
少し湿った風と
さとうきびのざわつき
丘に座り込んで
手を上にあげて伸びをする
視線の先はあの日からいつも同じで
消えずに残る姿は
涙では洗い流せない――
□ 秒速5センチメートル、短編3話
時が経てば・・・
そう思っていた
でも違って
何も変わらない
いつかの自分と今の自分
差が出るのは
確かに自分が変えた分だけ
■ 特徴と感想
・絵がとても綺麗でした。
吹雪く風の冷たさや、夏の湿っぽい風とか
見るだけで、その季節を過ごしてるようで
・”桜の花の落ちる速さ”(秒速5センチメートル)って
ゆらゆらしつつ速いのか遅いのか。
「状況を変えるための行動」を、チクタクとせき立てる
それが”この速さ”なんじゃないかって感じました。
・本作では残念な結末を迎えてしまったようですが
もし、もっと積極的な行動が取れていたら――
むしろそこを描かないことで、逆に押し出したかったんじゃ
ないかと思いました。