退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
社会現象と呼ばれた理由。 エヴァをシンプルに観る方法
90年代後半はアニメ放映前に同年の地下鉄サリン事件があり
少年犯罪の報道が目立つようになりました。
凶悪犯の動機がハッキリとわからない為に社会不安が色濃く
凶悪犯の何を考えているかわからない。。
不気味な内面が鳥立たされていました。
こういった世情と、作品の雰囲気がマッチしていたのが
エヴァンゲリオンという作品です。
・ヒットの外的要因
①混乱した世情にマッチ②宗教や心理学への関心の高まり
③様々な解釈ができる作品で2次創作が製作しやすい
こういったポイントではないかと考えています。
当時、このアニメは凄いといって褒める人は多かったですが
具体的にどう面白いのかを説明できる人は周囲におりませんでした。
斬新なアクション、壮大に感じる世界観、人間関係の複雑さ
心情描写、造語によって新鮮なSF設定、未知の敵への恐怖
シナリオや、ストーリー構成に関して褒める方はあまり知りません。
・独自解釈で観るエヴァンゲリオン
前半部分は主人に共感はできないものの、ロボ物として楽しめます
後半部分が快楽的なストーリーから一変して
メインキャラの、アスカ、レイ、カオルが退場していく
悲惨なストーリーになっていくます。。
この段階でロボ物アニメとしての結末は未完です。
6話でレイとシンジが微笑みあうシーンがラストでもよいでしょう。
最終2話でシンジは「ボクはここにいいて良いんだ」と唐突に
モノローグが入り、ストーリー進行は止まります。。
人間は内向世界で充足感をもち自閉して他者と隔絶するなら
それは死と同じといえます。
モノローグでエヴァの世界とは閉ざされた内面性だと示されています。
・エヴァとはシンジの内面世界、パラレルワールドである解釈
シンジが初号機で使徒と戦った世界、学園ラブコメ世界、
シンジが「おめでとう」皆から祝福されて、「ここにいていいんだ」と
自分を肯定する世界、学校の講堂で弦楽四重奏曲の練習をする世界も、
それぞれがシンジの内面で展開するパラレルワールドの世界の出来事
なのだと考えると、TV版後半の展開も理解できますし
最終話ですが理解できます。
エヴァンゲリオンとは人間の内面性にある世界を表現しているのだと
考えてみてはどうでしょうか。
・さいごに
シンジの内面の物語であるとするとストーリー構成には破綻がありません
しかし、製作者が意図したテーマは別にあるかもしれませんし
本編では解答がなく、視聴者ごとに答えを探しなさいというラストは
いかがなものでしょうか?
未完成で意味がわからないから人を惹きつけたというのは
商売として成功したとしても、作品としてどうなのでしょう?
エヴァを超える作品はないという言葉は当たり前です
エヴァはまだ未完成なので比較対象にできませんから。。